SSブログ

『キュリアス・マインド ぼくらが科学者になったわけ』 [☆☆]

・鳥の翼が完璧でも、空気の支えがなければ飛び立つことはできないのです。事実は、学者にとって、その空気のようなものです。事実がなければ、学者は決して飛び立てません。事実がない「学説」は実を結びません。

・知識人のある種の特権──疑問を投げかける権利、詮索する権利、挑発する権利、知識を追求する喜びを得られる場所に行ける権利。

・当時は第二次世界大戦の記憶がまだ生々しく、定期購読をするほど新聞を信頼している人はほとんどいませんでした。

・マサチューセッツ工科大学へいってみて、予測通りにひどかったら、それからでも自殺できる。だが、自殺したら、そのあとでマサチューセッツ工科大学にいくことはできない。どちらにするかで結果は違う。数学や物理の計算の演算の順番とは違い、人の行動の順番の交換は可能ではないのだ。

・数学を科学ではなく一種の芸術とみなす幾何学的なスタイルに対するセンスを身につけることができた。

・ずらりと並んだ服を見せて、ここからひとつ選び取るように支持すると、人はたいてい右はしの服を選ぶ。だが、次にその服を選んだ理由をいくつかあげるようにたずねると、だれも「右側にあったから」とは答えない。ただ、自分たちが手にした服の特徴を言いたてるだけだ。

・子供時代の体験が現在の僕たちを形作ったのではなく、もともとある自己が子供時代の体験を形作っているのだ。

・少額の賃金を得るためにつまらない仕事をした人が仕事は面白かったと言うのは、自分が社会的抑圧に操られているのを認めたくないからだという。

・無政府主義は、人間が生来、協力的で平和愛好者であると信じられてこそ支持できるものだ。

・書物は民族誌家の解説そのものですが、メモや写真は、後の世代が最初のデータとして一番手に取りやすいものであり、文化人類学においては最もオリジナルに近いデータになりうる。

・観察とそれに続く考察は、自分のためだけではなく他人にも価値があるという考えに慣れ親しんでいたのです。

・詮索好きな観察者──正統的大家の書物を読むだけでなく、自分の頭で考えるように奨励され訓練された──はこうした風変わりな例外にひきつけられた。

・子供向けの他の本が、困難を克服する万能薬として人間離れしたワザを乱発する中、ヒュー・ロフティングは、SF作品として現実をひとつ変質させているだけだ。つまり、ドリトル先生が動物と話ができることで、シリーズはすべてここから展開していく。

・妊娠中絶反対者は中絶をする医師に向かって「人殺し!」と叫びながら、家に帰って夕食にステーキを食べる。ドリトル先生を読んで育った子供なら、そうしたご都合主義に気がつくだろうが、聖書を読んで育った子供は絶対に気がつかないだろう。

・科学者は事実に興味はない。彼らは不可解なことを好む。彼らはそれを掘り返し、それに喰らいつき、それに攻め込み、そして、その過程で、さらに不可解なことを発見していくのだ。

・同じ現象を見たときに、現象の理解や説明の仕方が人によって微妙に異なります。この微妙な差が積み重なって、いつの間にか他の人にはできない成果が得られます。これが研究者の独創性です。

・関心をひいた現象の記述、次に分類、そして分類化することで生まれた手がかりをもとに研究を進める。

・すぐれた仕事をするためには、その仕事にまつわる道具類や小物を好きにならなくてはいけない。あなたが、ハンマーや木材や工具類が好きなら、大工仕事がいいかもしれません。

・仕事上で出会うモノと何かつながりを感じたとき、プロとしてベストを尽くせる。

・私はプラスチックのブロックが大好きでした。シンプルで扱いやすく、遊び心を満たしてくれるだけでなく、能力を発揮でき、製作者の力量がはっきり表れるからです。

・ロボットはすべてが想定通りに進んでこそ作業ができるのだ。つまり、異常事態に対応する能力は持ち合わせていないということだ。

・何にせよ、自分が強烈に引きつけられる何かを見つけられる人はラッキーである。その「どきどき」が一生続けば幸せである。

・「理解できないときに、身体的痛みを伴うことを体験する」のが必要だ。好奇心といっても、人生を支配するほどのものでなくてはいけない。

・成功への最善の方策は、情熱を傾けて仕事に取り組んでいる人が身近にいることだ。真摯な情熱ほど伝染するものはないからだ。

・科学には世間が思っている以上に詩との共通点がかなりある。どちらも、一般的でないアイデアを互いに結びつけ、一種のロマンチックな世界観をつくりあげなくてはいけない。

・ほとんどの人間にとって、現実生活は理想と現実を妥協させる日々の連続だ。

・科学は、完全に自由な環境のもと、資金的に自立ができて最大に開花するものだ。学問への保護が手厚かった栄華の時代に、科学が全盛をきわめたのも不思議ではない。

・凡人は自分より優れている人がわからない。天才を見抜くには才能が必要だ。

・今日の多くの研究が、問題解決を目指すことより方法論や装置重視に偏っているのではないだろうか。そうなると、研究はひどく退屈になる。

・ガリレオの前に、たくさんの人が望遠鏡をのぞいているが、その目を地球上の物体ではなく空に向けたのはガリレオが最初だった。そして、それがすべてを変えたのだ。

・科学が一番面白いのはまだ揺籃期にあるころ──研究者がまだ好奇心に駆られ、研究がいわゆる9時から5時までの<仕事>と化していないときだ。

・今日、「サイエンス」や「ネイチャー」で共著者が30人という論文を目にすることも珍しくない。この「流れ作業的」なやり方は、科学を実践する際の楽しみをずいぶんと損なうものだ。

・結局は、人生を振り返ったとき、次のふたつの問いだけが重要なのだ。どれほど大きな影響を人に与えたか? 大いに楽しだか?

・うちは何度も引っ越しをし、そのたびに不必要な紙類は廃棄していたので、子供時代の私の記憶が否定されることはないかわりに、裏づけられることもないのです。

・私たちは、人生を語りながら、そのストーリーに合わせて自分自身を創造します。そうしたストーリーは、しばしば行き当たりばったりで一貫性がないような体験に目的や意義が脚色されたものです。



キュリアス・マインド

キュリアス・マインド

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/02/25
  • メディア: 大型本



nice!(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

トラックバック 0