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『書物迷宮 ル・ラビラント』 [☆]

・スペインは、死が国民の見世物となる、唯一の国なのです。

・ひとは、自分の物差しで他人をはかる。逆にいえば、振りかざした物差しで、本性もはかられてしまうものでしてよ。

・すでにわかっていることを、そしらぬふりをして聞くというのは、よくない趣味です。

・一時だけ、知られたくないことを、秘密にしておくことはできる。また、秘密の一部だけを隠しておくことも。なれど、秘密のすべてを、永遠に封じておくことは不可能。

・中国では、急須を用いず、茶碗に直接お湯と茶葉を投じて、お茶を淹れることが多い。

・ときとして、ひとは、真実よりもプロパガンダを信じるもの。

・作成から、三十年から五十年ほどの時が過ぎれば、国家機密を記した書類も、ジャーナリストや研究者に公開する。それが民主主義国家の原則です。

・情報機関同士が助けあうことはできる。しかし、友人になることはできない。

・イスラエルのモサドがそうであるように、大国のはざまで生きていかなければならない小国の諜報機関ほど、精強なものですからね。

・虐げられてきた小国の民こそ、公正で、偏見も持たなくなるという、日本人にありがちな固定観念は、多くの場合、幻想にすぎません。

・どこの国の人間も、おのれの言語は美しく、いかなる外国語にも優っていると、理屈抜きに信じております。われわれ日本人だって、そうでしょう。

・「源氏物語」を読み通したこともないくせに、日本が世界に誇る文化遺産、日本語の優秀性の証明だなどと、臆面もなく吹聴する輩が、何と多いことか。

・おのれのテリトリーと自惚れていた地域に、書店や図書館があるのを見逃していたときの、いわく言いがたい腹立たしさは、本好きなら理解していただける思う。



書物迷宮 (講談社ノベルス)

書物迷宮 (講談社ノベルス)

  • 作者: 赤城 毅
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/07
  • メディア: 新書



タグ:赤城毅
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