SSブログ

『脳を鍛える読書のしかた』 [☆☆]

・どんなに素晴らしい作家の自筆原稿も、活字になったものにはかなわない。活字の方が文学的味わいは深い、ということなのです。

・出版の世界ではよく言われていることだそうですが、一部の例外を除いて、物故作家つまり亡くなった作家の本はあっという間に読まれなくなるのだそうです。

・生の経験をそのまま文字として綴れば、それは単なる日記でしかない。自らの経験とあえて距離を置き、その出来事や心の機微を整理し、なおかつ精練した言葉に置き換える。それが活字化されて、初めて文学といえるのだと思います。

・おばさんは「無意識の垂れ流し」を平気でしてしまう。つまり、思ったことをすべて言ってしまいます。ところが、いい女というのは、秘密を持っているものです。

・シナプスという接合は、つなぎ変わるのにだいたい二週間ぐらいかかるのです。遺伝子が発現して、タンパク質ができて、そのシナプスの強度を維持するためにいろいろな物質ができ、そして構造が出来上がってく。だから、お父さんお母さんがお子さんに注意しても、効果が現れるまで最大二週間は待たなくてはいけないことになります。言ってから二週間たたないと人間は変わらないということです。

・読んでいる本人たちが、自分のことを言われているのに、それに気付かないで気楽に笑っていられるようなものの書き方というのが、百年小説というか、百年作家のすごいところなのです。

・自分でいい音楽を作ったり演奏できたりすれば、もっと嬉しいですよね。しかし普通は、いい音楽は知っているが自分で楽器を演奏するなどの能動的なことはできない人が多いから、大抵の場合は耳年増で終わってしまいます。

・往きは一等車で気持ちよく行く。要するに、用事がないのに行くのだから、一等車で行くのです。しかし帰りは、東京に帰るというれっきとした用事があるから、その用事をすませるためなので三等車でいいというわけです。二等車もあるのですが、それは中途半端で嫌いだという。

・日本の大学教授には「出羽守」や「内弁慶」という人が多い。「出羽守」とは、とにかく何でも「アメリカでは~」「イギリスでは~」「フランスでは~」……。日本の大学の、特に文系の先生の多くは「出羽守」として生きてきたということなのです。

・最近の研究によると、バイリンガルの脳というのは老化に強いそうです。しかも何歳で第二外国語を始めたかは関係ないといいます。何歳で始めても、
外国語のレベルがある程度に達したらバイリンガル脳になって、そのとき脳は強靭になるのだそうです。



45分でわかる! 脳を鍛える読書のしかた。 (MAGAZINE HOUSE45MINUTES SERIES # 7)

45分でわかる! 脳を鍛える読書のしかた。 (MAGAZINE HOUSE45MINUTES SERIES # 7)

  • 作者: 茂木 健一郎
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2009/11/26
  • メディア: 単行本



タグ:茂木健一郎
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0