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『アガサ・クリスティとデザイン謎の旅』 [☆]

・更にひどいのが、地方の街などに「街おこし」と称して、橋の真中に巨大なカエルを鎮座ましませたり、同じカエルの電話ボックス、他の処ではカッパ、天狗達が電話ボックスのみならず、公衆トイレや建物の随所にかぶさっていたり、街全体が幼児化しているのである。

・古代ローマ人と日本人の共通点に、風呂好き、魚好き、部屋の簡素さ、発明より発展、というのがある。

・デザイナーも、専門家としての自信とプライドがあるなら、妥協せずにさっさと辞める方があと腐れがなくて良いであろう。折衷案でまとめる、というような中途半端が一番いけない。それこそがインテリ風インテリアとなって、結局は知的とは言えないものになるのだから。

・個人主義というのも大事なことだと思うが、これがうまく働くと個人尊重で自由になるが、悪く働くと、断絶と、それから公と私の対立になってしまう。

・食物も和食より洋食の方が多く、殆ど欧米人と変わらない生活である。そんな中で、一般の生活に於いて変わらない文化は、唯一風呂であるような気がする。桧の風呂は姿を消し、プラスチックの浴槽、シャワー付き、だが風呂の使用法だけは決して西洋化されてはいないのである。

・エレベーターがなければ高層ビルは絶対に生まれていない。

・皿洗い機、冷蔵庫、圧力がま、ブンブンとうなる真空掃除機──「気をつけろよ」と彼等は言っているようだ。「わたしはお前に仕えている魔神だが、お前がわしを使い損ねたら……」

・デザインに限らず、色々な分野での、本当に良いアイディアとは、ひらめきなのか、豊かな知識からなのか、永年培った経験からなのか。



アガサ・クリスティとデザイン謎の旅

アガサ・クリスティとデザイン謎の旅

  • 作者: 安永 一典
  • 出版社/メーカー: 近代文芸社
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 単行本



タグ:安永一典
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