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『リッターあたりの致死率は』 [☆☆]

・以外と彼には根性があった。それとも若さゆえに引き際を知らないのか。

・好きで人間に生まれたわけじゃないのに人間社会で生きていかなきゃいけないのは大変でしょう、同情しますよ。

・日本の渓流魚が銀色をしているのは澄んだ水の屈折率で上から見えにくくするためです。

・魚はいくらたくさん群れたって、水鳥と戦って勝てるわけじゃないんですよ。

・同じ遺伝子を持つもの同士、殺し合いをすれば同じ中でもより優秀な遺伝子だけが生き残る。同じ血統のよく似た仲間の中で、仲間自身の手でもって一番優秀な遺伝子だけを選別する。

・ゲームなら広く浅くいろいろこなせる勇者三人より戦士僧侶魔法使い、それぞれの専門家を三人揃えた方がいい。

・自己複製をする一方で自分に似たものを嫌うという矛盾を抱えて生物は葛藤し、同種同士で殺し合う。これが動物行動学の基本です。

・「こんなこと知って何になるんだ」、そういうことを言う人に限ってテレビがどういう仕組みで映るかも知らないくせに民放のバラエティがつまらないとぼやいて与えられた文明を浪費する一方なんだ。

・どうしてノーベル賞があると思います? 賞を設けないと誰も褒めないからですよ。賞がなかったら誰もオワンクラゲのことなんか知ろうともしませんよ。

・イルカと水中で遊ぶことで人間の心を癒す研究も進められている。イルカは人間に対して「気を遣う」ことができる。

・よく、ゲームや映画で痛い悪役が人類を滅ぼしてこの地上を浄化しなければならないとか言いますけどね。たとえ核戦争で地上の生物が滅びてしまったとしても、そのときは深海から「彼ら」がやって来る。

・当時の資料が文言の形で残っているものを歴史、残っていないものを考古学と呼ぶ。

・上が完璧主義を主張したのでは現場は身動きが取れん。

・足手まといが多いんじゃ手を組む必要なくない?

・対処といっても既にどこかの誰かがダウンロードしてしまったデータを回収する方法は事実上ないので、言い訳を考えるのが主な仕事だ。

・報道協定ってのは相手が「一言脅せば警察に通報されないと思っているお天気野郎」かつ「未成年略取が重罪だって知らないアホ」、もしくは「営利誘拐で金が儲かると思ってる世間知らず」の場合だけ有効なんだよ。

・本当に悪い奴なら世界征服なんて言わない。弱い奴、正しい奴の味方のふりをしてすり寄ってくる。ぱっと見から怪しい結婚詐欺師なんかいない。

・テロリストっていう連中は、自分じゃ「警察にも裁けない悪党を退治する正義の味方」だと思ってる──つまり正義を信じる子供だ。

・騙すのにテクニックなんか必要ない。腹減ってるときにあったかいご飯を食べさせてもらって、優しい言葉をかけられたら裏を読んで疑うのは難しい。

・兵隊は頭が悪い方が使いやすい。いざってときに自分で考えて勝手に動く奴は、何をしでかすかわからなくてとっても怖い。部下ってのは真面目で、困ったときは素直に上司に助けを求めるような奴がいいんだよ。

・これだから。自分が何してたかも知らないんだから。馬鹿は怖いなあ。

・子供は珍しいものにかまいたがる。珍しくて自分より弱いものにね。

・つらくあたるよりたまに優しさを見せた方が人の心を折るのはたやすい。

・君が悪いんですよ。言われたことを守るだけで、自分で何も考えなくせに真実だけ他人に教えてもらえると思っていたんだから。無知な者はいつまで経っても無知なまま。

・一人で生きてくのはカッコイイか? 違うだろ。今ひとりぼっちだから、カッコイイとでも思わなきゃやってられねーんだろ。



リッターあたりの致死率は THANATOS (講談社ノベルス)

リッターあたりの致死率は THANATOS (講談社ノベルス)

  • 作者: 汀 こるもの
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/04/08
  • メディア: 新書



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