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『持たない贅沢』 [☆☆]

・自分自身に対してであれ人に対してであれ、メッセージを正確に伝えようと思ったら、要点だけに絞った短いメッセージにする必要がある。

・人間の感覚は文明に毒された分だけ鈍くなっている。だが、五感を研ぎすましてみれば、かなりのことを感じとることができる。

・長々と言い訳をしたりするのが丁寧な誤り方であると勘違いをしている。

・謝るときはいさぎよく相手の処分に身を任せる姿勢が肝要だ。

・経験があるということは、特定の考え方を持っていて、一種の癖がついているということにほかならない。

・受験勉強に凝り固まった人は、習うことのみに集中して、自分自身で考える柔軟性のない傾向が強い。

・あまり前もって勉強して準備を周到にするのも考えものである。その過程で自分の勝手な思惑に従って先入観を形成してしまう場合があるからだ。

・今現在の瞬間を大切にするためには、過去にとらわれてはいけないし、将来に対する思惑にも左右されてはいけない。一種の高度な刹那主義だ。

・悪が生み出されてから、どうしようかと考えるのは、それは三流以下の頭でしかない。

・持っているものは頻繁かつフルに活用するというポリシーを貫くのも、不要なものは一切持たないという発想につながっていく。

・人生はシンプルにするに限る。たくさんのものに囲まれていたのでは、日々の生活も複雑になっていく一方だ。

・あるものは何とか利用しようとして、必要がないこともするのが人の常だ。

・客の目が届くところは誰でも一応はきれいにしている。見えないところまできれいにしているかどうかで、その人となりが判断できるのである。

・人の弱みがある可能性があるところを暴こうとするのは、人の道にも反する。

・自分自身には厳しくしなくてはならないが、人にも同じ基準を強要するのは、人間の弱さを知らない、自分勝手な人のすることだ。自分は許さなくても、人を許す術を知っているのが、人生の達人の条件である。

・個性を尊重し伸ばすという点が強調されている。だが、その方針の下に、悪い個性もそのまま伸ばそうとする気配が見られるのが気になる。

・可能性が少しでもあったら、スポーツと同じようにとことんまで努力して初志貫徹を目指すべきだなどという。無責任な第三者としては、そのほうが面白い。

・悩みがつのってきたときは、諦めて引き揚げる潮時であると悟るべきだ。

・本は内容の質が「売り物」であるはずであるが、売れたという事実がセールスポイントになっている。

・花が美しく咲くのは、花が自然に生きているからだ。花は媚びることをしない。相手に気に入られようとして、きれいにしているのではない。自分の意のままに生きていて、人からきれいだといわれて喜ばれているのである。

・具体的なものを「反対給付」として期待する気持ちが潜んでいたら、それは堕落した行為というほかない。

・自分が権利を主張すれば、相手も権利を主張する。権利がまったくない個人や組織はないので、議論の種には事欠かない。

・相手と自分とを比較しないで、自分だけのことを考えてみる。相対的な損得ではなくて、絶対的な損得に焦点を合わせて、損得勘定をするのだ。すると、場合によっては、権利の主張などをしないで、現状のままで我慢した方が得であることがわかる。

・泣き寝入りをしたのでは、負け犬であると思われるのが嫌だ、という人もいるだろう。だが、一時的な感情に任せて吠えて争いの中に入っていって勝ったとしても、満身創痍になったのでは、つまらない。

・相手を変えることができないときは、自分自身の方を変えるのが、最も賢明な生き方をする人の知恵である。

・洞察力もなくバランス感覚もない政治家ならぬ「政治屋」が、その場限りの餌で人々を釣って、その結果が「民意」であるなどとうそぶいている。

・日本的な木目細かいサービスが特徴的だ。だが、それだけに行き過ぎになって差し出がましくなったり、人を見くびったりする結果になるきらいも感じられた。

・年配の客が多いこともあるからだが、老人ホームにも似た雰囲気になる場合もあり、ちょっと嫌な思いをしたこともある。

・常連の客に対しては一人ひとり名前で呼んでいる。客の自尊心を上手にくすぐることによって、満足度を一層高めようとしているのである。

・客という立場になった人は、画一的に扱われることを極度に嫌がる。だが、客商売をしている店舗では、客を「画一的」に扱わなかったら、公平感が損なわれる。

・自分についての情報がある程度は公に知られているので、それは信用の基礎になっている。

・必要最小限を達成したら、それで満足するべきである。にもかかわらず「必要」という言葉を振りかざして、必要最大限を狙おうとする傾向が見られる。そうなると、本来は必要でないものまでも必要のカテゴリーに含める結果になる。

・古い物で多少機能に劣るところがあっても、何とか使えるうちは使う。商人の商魂に乗せられないようにするのが、物に振り回されて窮屈な思いをしないための賢い生き方である。

・量を求めれば質が下がるのは、この世の習いである。質を求めようとすれば、量を少なくするのが秘訣である。



持たない贅沢

持たない贅沢

  • 作者: 山崎 武也
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2009/07
  • メディア: 単行本



タグ:山崎武也
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