SSブログ

『日本列島プチ改造論』 [☆☆]

・なぜ、日本の若者は地べたに座るのか。それは椅子がないからです。西欧では、街の中にベンチがあるのが普通です。

・参議院議員は、国民の中から抽選で選びましょう。裁判員制度と同じです。司法にできて、立法にできないはずがありません。タレントやレスラーだって、議員になってから勉強してるんです。だれにでも議員は務まります。

・頭の中に辞書的なボキャブラリーとして存在していても、身についてなければ、実感できない上滑りの言葉でしかないんです。

・マナーの本質は、相手の立場に立って、できるだけ相手に不快感を与えないよう努力することにあります。

・エセ科学などに傾倒する大衆は、もともと論理の正しさなど求めていないんですから、マジメな反論に耳を貸すはずもありません。

・現実の世の中には、「正しさ」だけでなく「おもしろさ」という評価軸もあるのですが、教科書で育った秀才のみなさんは、そこんところを理解できず、正しさでごり押ししようとします。結果的に啓蒙どころか、ウザいと嫌われるのです。

・批評を書くことが、神になるもっとも簡単な方法だからでしょう。作品を書くのは大変だけど、批評は誰でも書けます。クリエイターが丹誠こめて作った砂の城をレビュアーは、こんなもんはクズだ、と一瞬でぶち壊すことができる快感! 神様は一度やったらやめられません。

・給食で牛乳を飲ませるのは、栄養のバランスとかが理由のようですが、食は科学だけで割り切れるものではありません。料理をわざわざマズくする飲み物を選ぶことは、食文化の冒涜です。ことに、和食と牛乳の組み合わせは最悪ですよ。

・物知りであるというだけでは、なんのリテラシーでもありません。しかし読書好きで雑学知識に長けたまじめな人ほど、自分の判断力や思考力が備わっているとカン違いしてしまいがちです。

・欧米にはない、日本独自の夏の風物といえば、夏休みの宿題。今年もまた夏休み最後の数日に、何百人もの日本のこどもたちが、「やっつけ仕事」という言葉の意味を学んだことでしょう。

・職も肩書きもない若者が増えたら、ニートって肩書きができちゃうんですから、日本人は根っからの肩書き好きなんですね。

・マナーや道徳というのはなにかといいますと、個人間の権利の交渉を、めんどくさいからルールにしちまおうってことです。

・ちかごろ流行りの「だれでもよかった殺人」。自分より弱い相手を選んで殺しといて、だれでもいい、ってのはウソですよ。

・ビジネスの世界でも、外国人とは歴史の話はしないのが、国際的に正しい処世術です。学者さんは歴史認識の違いを好きなだけ無責任に議論できるかもしれませんが、商売では相手の機嫌を損ねたら元も子もありません。

・日本には、利害の対立する二者が対話によって歩み寄るという文化が存在しません。ほとんどの場合、利害の対立は「苦情」と「無視」という平行線をたどります。



日本列島プチ改造論

日本列島プチ改造論

  • 作者: パオロ ・マッツァリーノ
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2009/01/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0