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『ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る』 [☆☆]

・知覚表象は、変化するもの、前とは違っていることに何よりも集中し、状態が同じであればそういう物事は基本的に無視する、ということです。

・重要な決定や選択のタスクの多くは、ある一組のグループの中の価値の合計をどう評価するかにかかっています。でも、グループに含まれる価値の合計は直感的には分かりません。しかし平均値は直感的にただちに分かるので、そうしたタスクを直感的に行うと、系統的にエラーを犯す可能性が強いのです。

・ヒューリスティックは、アルゴリズムと対比して使われる概念。アルゴリズム(コンピュータでの計算手続きのように厳密に解を導き出す方法。何をすべきかが明確に漏れなく指定されていなければならない)に対し、ヒューリスティックは「便宜的な手続き」といった意味であり、日本語では簡便法、目の子などと言われる。限定された時間内で限定された能力を使用する手続きであり、正解に近い値を得られる場合もあるが、正解から大きく外れる場合もある。

・溺死と火災による死亡ではどちらが日本では多いかという質問に、たいていの人は火災による死亡と答えるが、実際には溺死のほうが多い。このような誤った推定をしてしまうのは、火災による死亡に関する情報は報道されることが多いなどの理由で利用可能性が高い(入手しやすい、想起しやすい)ため確率も高いと判断するからと考えられる。

・判断が二つの方法でなされるということです。つまり、迅速で、連想を駆使し、無意識のうちになされる、努力の必要のない直感的プロセス(システム1と呼ばれます)と、規則に支配されて熟慮と努力を要するよりゆっくりとしたプロセス(システム2)の二つがあるということです。

・直感の犯す間違いは、二つの条件が揃った時に起きることになります。まず、システム1が間違いを犯し、システム2がそれを糾すことに失敗した場合です。

・比較対象の基準なしに、音質のわずかな違いなどにはほとんど気づくこともないだろう。それにひきかえ、見た目が醜いか美しいかは、比較するまでもなく評価できる。



ダニエル・カーネマン心理と経済を語る

ダニエル・カーネマン心理と経済を語る

  • 作者: ダニエル カーネマン
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2011/03
  • メディア: 単行本



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