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『狼と香辛料 9』 [☆☆]

・金で買えないものを押し売りされるほど困ることはない。

・身の程に釣り合った利益を渡したところで、利益に釣り合った働きしかしてくれはしない。圧倒するような、相手が萎縮するほどの利益を渡して初めて、意のままに相手を操ることができ、能力以上の働きを期待できる。

・人は言い訳を手に入れた時、とても強い。

・上には上が無限にいるし、下には下が無限にいる。

・命の危機は最高の惚れ薬と言った詩人がいた。

・人の心は目で見えない。しかし、行動によってどんな絵図を抱いているかはわかるもので、またそれは表情によっても示される。

・王が王宮の内部で少数の人間とだけ会話をし、ほんの一握りの人間の決定だけで国を動かすのは彼らが神から選ばれし人間だからではない。彼らもまた同じ人であり、親しい人間しか信用できないからに他ならない。

・理不尽というものは路傍の石ころのごとくあちこちに転がっている。つまずいて転んでも、手を差し伸べてくれる者など滅多にいやしないのだ。

・どちらかがどちらかを疑えば、武装の連鎖がどこまでも続く。

・一人旅が孤独なものだったことは確かだ。それでも、自分一人の心配だけをしていればいい、という利点も理解していた。

・脅しは、薮の中から突然出てくる蛇のように使われてこそその真価を発揮する。

・街中で出会って本当に怖いのは主のいない野良犬であり、訓練された獰猛な番犬ではない。

・大義名分がなければなかなか動けないが、いざそれさえできてしまえばなんでもやるのが権力者だ。

・完全な絶望はある種の平穏をもたらしてくれる。しかし、その中にわずかな希望がまざった時だけ、想像を絶する苦しみが生まれるのだ。

・切羽詰まった時には詭弁ほど強いものはない。それが真実かどうか確かめる術がないのなら、その場で最も反論できない案を出した者が勝ちだ。



狼と香辛料〈9〉対立の町(下) (電撃文庫)

狼と香辛料〈9〉対立の町(下) (電撃文庫)

  • 作者: 支倉 凍砂
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2008/09/10
  • メディア: 文庫



タグ:支倉凍砂
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