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『しがみつかない生き方 「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール』 [☆☆]

・やりたいことや欲しいものは、そう思ったそのときに始めたり、手に入れようとしないと必ずいつの間にか自分から消えてなくなる。

・「いまさえよければどうでもいい」といった刹那主義とも微妙に違う、「とにかくいまが永遠なのだ」という瞬間主義ともいえる感覚にとりつかれている若者たち。

・好き、きらいといった感情なら瞬間的に決めることができるかもしれないが、それも時間の経過の中では変わることがある。ましてや、「良い、悪い」という善悪や「勝ち、負け」は、判断するのに時間がかかる。

・インターネット利用時間が長いほど消費力が低い、というのは興味深い。「情報が多すぎて何を買ってよいかわからなくなるから」なのだそうだ。

・実は、テレビを最も長く視聴しているのは、仕事を退職し、子育てを終えて家にいるシニア層だと思われるが、いまのテレビ番組は、その彼らが社会からの疎外感を強く味わうように作られている。

・個人的な怒りや悲しみは忘れられないが、喜びやうれしさは忘れてしまう。

・日本の人たちは、自分自身の過去に関する良い記憶についてはとりわけあっさりと水に流しやすい傾向を持っている。

・グローバリズムはチョイス(選択できるもの)ではなくファクト(現実)だ。

・生きるためには、食べなければならない。食べるためには、稼がなければならない、そのためには、仕事をしなければならない。この「しなければならない」の繰り返しが、大人の言うところの「生活」だ。しなければならなくてする生活、生きなければならなくて生きる人生なんか、どうして楽しいものであるだろう。

・まじめな彼らは、「好きなことを仕事にしなさい。仕事で夢を追いかけなさい」という大人たちからのメッセージを律義に信じるあまり、「夢や好きなことが見定まらない限り、働いてはいけないのだ」と思い込んでいる。

・親が子を愛するのは本能だけど、子が親を愛するのは本能ではない。親は子のために死ねるけど、子は親のために死ねないんだ。

・生まれたり生きたりするのに、何か意味とか価値なんて必要なんですか。

・人の存在の秘密は、たしかにあるけれど、一生その人にはわからない。

・夢には、よく手紙やノートなど字が書かれた紙が出てくるが、たいていの場合は、そこに何が書かれているのか、読むことができない。そういう夢は、実は無意識が存在の秘密を自分に伝えようとしているものだ、と解釈される。そしてその秘密が何なのかは、どうやっても自分の意識では読み解くことができないのだ。

・無意識が知っている「生まれた目的、生きる意味」が、必ずしも自分の満足する答えなのかどうかも、定かではない。もしかすると、自分の無意識は世にもおぞましいことや反社会的なことを企んでいて、「それが私が生まれた目的なのだ」と思っているかもしれない。

・「生活習慣病」という概念が生まれてから、あらゆるからだの病気はその人の不摂生や健康管理の悪さで起きるように思われがちだ。

・いまの世の中、殺到する依頼の処理に困る人と、依頼がないことで不安になる人と、いったいどちらが多いのだろうか。どう考えてもそれは後者なのではないか。



しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)

しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)

  • 作者: 香山 リカ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2009/07
  • メディア: 新書



タグ:香山リカ
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