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『キノの旅15』 [☆☆]

・「危険な国だったらどうします? 国民全員が……、こう、飢えたケダモノのような」 「その時は、どちらかが死ぬまで戦うまでです。──ケダモノ相手に和平はありません」

・一度失われた過去は、二度と戻らないのです。嘘を教えた過去は消えず、本当の過去は二度と現れません。

・「本当の歴史ってなんだろうね」 「そこにいるみんながそう思っていること、でしょ」

・聞き分けがよく、ルールやマナーを守ることしか知らない「よい子」に育った。

・治安がよさそうなのは、町並みの汚れを見れば分かる。汚くなく、不自然にきれいすぎない国は治安がいい。

・「拾った物です」なんて言えば、「じゃあ奪っていいな」と思う外道はこの世に腐るほどいる。たとえ拾った物でなくても、「これは元から私の物だ」と因縁をつけてくるキチガイすらいる。

・馬鹿正直もここまで行くと、深刻な病気じゃないかとすら思えた。このお嬢ちゃんは、「正直者は損をする」という、含蓄のある言葉を知らないのか?

・「その場にいない人を悪く言うほど、簡単なことはないよねえ」 「まったくだ。誰にだってできる」

・「この国では、ちゃんと捕まえてちゃんと裁判しなければ、ちゃんと犯人にならないんだよ」 「向こうは無法者、こっちは遵法か。大変だねえ」

・嫌がる子供を無理矢理徴兵したり、あまつさえ誘拐してきて、洗脳教育をしたり薬物中毒にしたりして兵士にすることがある。訓練も装備も貧弱で、当然ろくな戦いなどできないので、正規軍の弾よけだったり、ほとんど自殺同然の作戦に放り出されたりする。軍隊にとって、彼等は使いやすい消耗品扱いだ。

・彼等を少年兵に仕立て上げるんだが──、これが昔は、とてもとても大変だったそうだ。ただ、親を生かして捕まえて、子供達に殺させる方法は有効だったそうだよ。



キノの旅〈15〉 (電撃文庫)

キノの旅〈15〉 (電撃文庫)

  • 作者: 時雨沢 恵一
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2011/10/08
  • メディア: 文庫



タグ:時雨沢恵一
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