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『10代の本棚 こんな本に出会いたい』 [☆☆]

・本を読むとは、世界を知ることなんです。今までまるで知らなかった、まるで縁のなかった世界に触れることなんです。

・「見えないこと」、これはぼくにとって「影」である。しかし、そのことを否定していては、「盲人」というぼくの側面を自分自身に取り込み、「全きもの」としての「精英」になれない。

・恐れは人のこころが作り出す。悩みもだ。恐れは、ぼくが逃げているからつきまとってくる。悩みはその元からこころが逃げ続けている状態を指すのだろう。

・小説というのは、「小さな説」というくらいですから、ミクロな視線、日常の視線を大事にするものが多いと思います。でも、SFはミクロな視点とマクロな視点を極端に切り替えます。

・彼女は、「潔癖症」を自称していて、人が口を付けた飲み物や食べ物を分け合うことをせず、不特定の人が使うカップなどは、洗ってあっても取っ手のところから飲む、そこが一番口を付けられた回数が少ないだろうから、というようなことを言っていました。

・「つながり」はもう幼児期のように未分化な肌と肌の接触から得られるものではなく、「親友」だの「恋人」だのという名前の付いた形式のなかでしか得られないものになっていく。

・「陰気な子供」は集団に居場所が持ちにくくても、「陰のある女」ならば、新しい関係性のなかで特別な位置が与えられうるのです。

・何も知らない小さな子供が、物事を知って大人になる、なんてきっと嘘です。人は大人になるまでに、何と多くのことを忘れ、失くし、奪われなければならないことでしょう。

・学校や地域の図書館もよく通い、イナゴのように食い荒らしていきました。読んでも読んでも足りなかったし、好きな本は繰り返し読み、未読の本の列は宝の山のようでした。

・本当に良い本は、難しいことを簡単に書いてあるものです。たまに、頭の良い人にしかわからないように、難しいことを難しく書く書き手もいます。

・嫌いなものや興味のないものが多いより、好きなものや興味のあることが多い方が絶対楽しいのです。ご飯だってそうでしょ? 好きなものが多ければ何でも美味しく食べられますもんね。



10代の本棚――こんな本に出会いたい (岩波ジュニア新書)

10代の本棚――こんな本に出会いたい (岩波ジュニア新書)

  • 作者: あさの あつこ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2011/11/19
  • メディア: 新書



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