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『夜中に犬に起こった奇妙な事件』 [☆☆]

・素数は暗号を書くのに便利なので、アメリカでは素数は軍事資料として機密扱いされていて、もし百桁以上の素数を発見したらCIAに報告しなければならない。そうするとCIAは1万ドル払ってそれを買い取ってくれる。

・素数というのはすべてのパターンを取りのぞいたあとに残ったものである。

・素数とは人生のようなものだと思う。それはとても論理的なものだが、たとえ一生かけて考えてもその法則を見つけることはできない。

・ただものごとがどんなふうになっているか気がつくだけで、これは頭がよいとはいえない。ただ注意してよく見るだけだ。ものごとがどんなふうになっているか見たときに、それを根拠にして新しいことを考えだすのが頭がいいということだ。

・彼らをばかとは呼べないことになっている、たとえそれが事実だとしても。彼らは学習困難児とか、要特殊援助児とか呼ぶことになっている。しかしこれはばかなことだ、なぜかというと誰でも学習困難な場合はあるからだ、相対性理論を理解したりするのはむずかしいことだ。

・数学は人生とは違う、なぜかというと、人生には最後に明快な答えというものはないからだということである。

・彼はいった、「251かける864はいくつだ?」 それでぼくは考えてからいった、「216864」 なぜかというとこれはとてもやさしいかけ算で、なぜかというと864に1000をかけると864000だ。それからそれを4で割ると216000で、これは250かける864の答えだ。251かける864の答えを出すためにはそれに864を足せばいい。そうすると216864になる。

・水蒸気が凝縮した水滴でできている。それが雲の材料だ。そしてことによるとそれは異星人の宇宙船だったかもしれない。異星人の宇宙船は金属のようなしっかりした材料でできていて、全体にライトがついていて、空中をゆっくりと動いていくと人は考えている。なぜかというともしぼくたちがああいう大きなものを作れるとしたら、そんなふうに宇宙船を作るだろうから。

・この世には、はっきり見えているのに、ひとびとがたまたま目にしても絶対観察しようとはしないものがあふれている。

・人生では、どちらかに決めなければならないことがたくさんある、そしてもしどちらかに決めないと、ずうっと何もしないことになる、なぜかというと自分ができることの中からどれかを選ぶのに時間を全部使ってしまうからだ。

・いまにきっと科学者たちが幽霊を説明するようなものを発見するだろう、雷を説明する電気を発見したように。

・ぼくはどしゃぶりの雨が好きだ。どこもかしこも白色騒音が鳴っている、それは静寂に似ているが、からっぽという感じはしない。

・とうさんはとっても辛抱強い人よ。なんにでもうまく折り合いをつけていく人で、動揺するようなことがあってもそれを表にあらわさないの。

・人間はただの動物で、そのうちにほかの動物に進化するだろう、そしてその動物はもっと頭がいいので、人間を動物園に入れるだろう、ぼくたちがチンパンジーやゴリラを動物園に入れるように。



夜中に犬に起こった奇妙な事件 (ハリネズミの本箱)

夜中に犬に起こった奇妙な事件 (ハリネズミの本箱)

  • 作者: マーク ハッドン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2003/06/30
  • メディア: 単行本



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