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『虚構日記』 [☆☆]

・嘘がばれそうな時にバラの花束用意できるかどうか。嘘つきましたって素直に謝るような奴はモテない。

・詩的言語によってイメージ網が広がっていくのなら良い。だが、単なる言葉足らずで無責任なつぶやきは、やがて何を生むのか。

・先人が正しいことを言ってるから僕の理論なんか要らないんですよ。

・君たちの理論って十回くらいなぜ? って聞き返すと破綻するものばかりだよね。それって根源まで掘り下げてないからだよね。

・昨日と今日は、となりあっていながら圧倒的な距離がある。

・科学の進歩は人間にさらなるタスクを課しながら涼しげな顔をしている。

・ガスボンベをつけた男たちは、人々を<トレー>と呼ばれる施設へ誘導している。あるいは、強制連行している。キャッチフレーズは、「助かる人は、<トレー>にいる」。うまいコピーだ。<トレー>に行ったら絶対に安全とは謳っていない。

・大事なのは緊張感だ。距離が近くなれば、そのぶん以前より突き放す必要がある。それが魅力的な関係を作る秘訣だ。

・やみくもに文章を書くことで、初めて自分が何を考えていたのか知ることが多い。

・張られた伏線を読み解く喜びを感じた高校生の頃の記憶は今でも鮮明だが、張られてもいない伏線と、ただぽつりとした一言の真相との間に何らかの詩的調和を感じとることがだんだん多くなってきた。

・現状を把握することと、現状に名札を貼って満足することには大きな隔たりがあると思うのだ。



虚構日記

虚構日記

  • 作者: 森 晶麿
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2012/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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