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『文学少女と恋する挿話集3』 [☆☆]

・この物語に登場するヒロイン達は、誰もが自分の心の望むままに行動し、欲しいものをはっきりと主張し、自分を哀れんだり言い訳をしたりしないわ。

・その先に待っているものが破滅でも、今この瞬間の歓びを奪いつくし、味わいつくそうとするの。その破滅的なほど前向きなパワーに、わたしは思わず拍手を送りたくなってしまうのよ。

・名前を日本風に変えるのは、昔はよくあったみたいね。『フランダースの犬』のネロとパトラッシュは、「清」と「斑」だったわ。アロアは綾ちゃんよ。

・気を遣ってるんじゃなくて、びびってるだけ。

・登場する人たちは、それぞれが生活する上での鈍い痛みや苦しみを抱えながら、変わらない日々を淡々と生きている。そんな中に、ほんの少しだけ、あたたかなものや、凛としたもの、美しいものがもたらされ、ボルシチを飲み終えたときのように、、凍えた心を、あたためてくれるのよ。

・現実はあくまで辛く厳しく、救いもひとときのものでしかなく、苦しみは、死の瞬間まで続いてゆく。

・完全無欠な王子様に、あたしは惹かれない。だって、そういう人は、あたしがいなくても平気なんじゃないかと思ってしまうから。

・誇りをもって生き遂げられない者は、誇りをもって死ぬ。

・いるよねー、妙に慣れ慣れしいセンセ。そういうフレンドリーなのにかぎって、生徒が自分の思い通りにならないとキレるし、問題起こすと知らんぷりで、ばっくれるんだよね。

・ここまで追い込まれたのは、自分のせいなんだから、べそべそ泣いたり、みっともなくわめいたりしたくない。

・とりあえず笑ってみたらいいと思うの。そうしたらね、きっと友達もできるし、先生も学校も、今より優しくなるよ。

・けど、みんなが可愛くないと嫌悪するものを、あたし一人だけが可愛いと感じるなんて、みんなが普通で、あたしがおかしいのかもしれない。そんな風に悩んでしまい、可愛いと口にできないかもしれない。他人と感覚を共有できないって、きっとすごく怖いことなんだ。



“文学少女”と恋する挿話集3 (ファミ通文庫)

“文学少女”と恋する挿話集3 (ファミ通文庫)

  • 作者: 野村 美月
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2010/04/30
  • メディア: 文庫



タグ:野村美月
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