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『文学少女と恋する挿話集4』 [☆☆]

・「少しはジョバンニに優しくしてよぉ~」 「無理……だって、カムパネルラは死んでるから。なにも、できないよ」

・平安時代には、夢の中に誰かが出てくるのは、夢を見ている人がその人を想っているのではなくて、夢に出てきた相手のほうが、夢を見ている人を強く想っているせいだと言われていたのよ。

・大抵のカモメにとって大切なのは、飛ぶことより食べること。カモメはみんな、食べるために飛ぶの。けれど、主人公のジョナサン=リヴィングストンは風変わりなカモメで、食べることより飛ぶことこそが重要だった――。

・今そこにいるのは、ふわりとした長い着物を身にまとった見知らぬ女だった。それは、死んだ人に代わって今この家を支配している、悲しみという名の新しい母親だったの。

・男女の基本勘違いで成り立つものだから。

・魔法はほんのきっかけにすぎないわ。わたしたちの生活の中にも、偶然という名の魔法はたくさん存在している。でも、それを育てて本物にしてゆくのは、わたしたち自身だわ。偶然を運命に変えてゆくの。

・その姿は、クラスの他の男の子たちとまったく違って見えた。他の子ならきっと怒ったり、からかったりするのに。

・学年はあたしたちと同じ中学二年生だけど、あたしたちより、ずっといろんなものを見てきて、あたしたちの知らないことを知っているのかなって。だから、教室で一人浮き上がって見えるのかもしれない。

・他人の言葉にまどわされちゃだめよ。自分の頭で考えて、自分の心で感じたことを、強い気持ちで信じなさい。

・哀しみや感傷をお母さんは寄せ付けない。いつも胸を張って前を見ている。確信を込めて堂々と言い切る。

・彼らは、他人と溶け合い、分かち合うことはなく、自分と異なる世界や価値観を持つ者として他人を見ている。そこに絶望はなく、それを突き抜けた、静かな寂しさと、澄み切った孤高があるように、思えるの。

・離れてみなければわからないことが、確かにある。気づかなかったことに気づけたり、大事なものをもっと愛おしく感じたり……。

・恋愛なんてずっと興味が持てなかったし、人を好きになることも、人から好かれることも、煩わしいと思っていた。



“文学少女”と恋する挿話集4 (ファミ通文庫)

“文学少女”と恋する挿話集4 (ファミ通文庫)

  • 作者: 野村 美月
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2010/12/25
  • メディア: 文庫



タグ:野村美月
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