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『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』 [☆☆]

・日本の将来に悲観的な人の多くはそもそも期待値が大きすぎるのです。たとえばそういう人は「世界第2位の経済大国である日本」を維持したいと考えたり、「国際社会でリーダーシップを発揮し、諸外国から尊敬される日本」を夢想しているようです。

・「人生の天井」を中学生くらいで知ること、知らせることを不幸と考える人もいるでしょうが、きちりんは反対に「そういうことが40歳までわからないよりは、中学生くらいでわかったほうがよい」と思っています。

・貧困国の子供を見て「屈託のない笑顔」と表現する人がいますが、彼らは、自分が手に入れられるモノ、入れられないモノを子供の頃から熟知しています。貧しい彼らがカメラに向かって笑顔をつくれるのは、旅行者が自分たちに向けるそのカメラさえ、自分が手に入れることは一生ないと理解しているからです。関係ない世界だから羨ましいとも妬ましいとも思わないのです。

・日本はマネタイズ(収益化)がすごく下手なのです。「他と違うユニークな点」をビジネス化して経済成長につなげることができておらず「変わった国ニッポン」を自虐的、内輪的に楽しんでいるだけです。

・なんでもそうですが、事前にどんなに慎重に検討して選んでも、選んだ後には必ず不満が残ります。したがって、後から不満がでてくることは最初から前提とし、「たとえ不満がでてきても納得できる選択肢はどれか?」という視点で選ぶべきなのです。そしてそんな時に最も満足しやすいのは、「いろいろ不満はあるけれど、自分にとって一番大事な点でこの選択はベストだった!」と確信できるものを選んでおくことです。

・欧米では「変化させる人」こそリーダーですが、日本では「できるだけ混乱を起こさないことがトップの務め」です。こうして日本は「誰も終わりを決められない国」になってしまっています。

・そもそも、35年もの長期ローンは経済の成長期、すなわち「適度なインフレと経済成長が長期にわたって続く時代」=「給与も不動産価格も毎年上がる時代」につくられた仕組みです。今のようなデフレ、低成長時代に成り立つ仕組みとは思えません。

・個人的には、10年以上のローンが必要になる価格のものは、それが家であれ車であれ教育投資であれ、自分には分不相応なものだと考えています。そのあたりが、常識的でまっとうな経済感覚だと思うのです。分相応に暮らしましょう。

・不安にかられて必要以上の保険に入り、毎日のお金に汲々とするのは全くもって本末転倒です。万が一のときのために、万が九九九九の期間を犠牲にするのはやめましょう!

・住宅ローン3000万円を2%の金利で借りてもらう場合、35年ローンなら利子の総額は1174万円です。ところが同じ額を借りてもらっても、たった5年短い30年ローンになるだけで、利子は992万円となり、182万円も少なくなります。20年ローンだと、利子は642万円。利子=銀行の収入は35年ローンの場合の半分近くまで減ってしまいます。だから銀行としては、なんとか長期間借りてもらえるよう営業努力をするのです。この原則は消費者金融やカード会社でも同じです。

・宗教は「この世に不満を持つ人」向けのサービスです。したがって、「こんな世の中には意味がありません」「今の世の中はおかしいのです」と現世を否定することが、そのまま信者の存在を肯定することにつながります。世間に否定されて落ち込む自分を肯定してくれるからこそ、人は宗教を信じるのです。

・実際に災害が起こったときに役立つのは、おそらく専用の防災グッズではなく、体力や精神力、判断力、不便な中で工夫する力、コミュニケーション力などでしょう。イザというときに役立つのは「お金では買えないもの」なのです。

・これからは年金も増えなくなり、働く意欲と必要のある高齢者がどんどん労働市場に入ってくるでしょう。よく「中高年正社員の雇用を守るため、若者が非正規雇用に追いやられている」といわれますが、将来は正社員市場どころか、派遣社員や内職、アルバイト市場からさえ、若者は閉めだされてしまうかもしれません。

・国際的に活躍できるよう英語を学ばせればいいのでしょうか。そうではありません。なぜなら「親にいわれたから英会話学校に通っている」では、「指示されたことをやる人」にすぎないからです。

・「成長したい!」という人に「成長して、何がやりたいの?」と聞くと、「えっ?」と怪訝な顔をされることがあります。「成長して○○ができるようになりたい」ということがあって初めて、成長することは意味を持つのです。

・就職や転職時に問われるのは「あなたは何がアウトプットできるの?」ということです。履歴書に輝かしい資格を書き連ねて、「僕はこれだけインプットしました!」とアピールする人がいますが、問われているのは「そのインプットで、どんなアウトプットをだせる(だした)の?」という点です。

・逆説的ですが、働く時間を減らさない限り仕事が早くできるようにはなりません。一般にまじめな人ほど、仕事が終わらないと働く時間を延長します。けれど働く時間を増やせば、生産性はどんどん下がります。

・「異業種の人と話せば世界が広がる」と多くの講演会や交流会に出かける一方で、サシで誰かと会って話をするとすぐに話題が尽きてしまう人もいます。

・「人間同士、話せばわかりあえる」と思うからつらいのであって、「話の通じない人も一定比率でいる」と諦めれば、考えようによっては「今日は3割も話が通じた!」と喜べるかもしれません。

・総中流社会には「分」という概念がありません。みんな同じ「分」だから、特定のものが手に入るか入らないかは資金力だけの問題だと理解されます。だから資金を一点に集中させれば自分にも手に入るはず、という話になり、それが「局地的に(たとえば家だけは、教育だけは)集中して頑張る」という方法論を呼びます。

・コミュニケーションを成功させるためには、(1)自分が何を相手に感じさせたいか、思わせたいかを正確に理解する。(2)相手の受動体の仕組みと感度を理解する。(3)相手の受動体に送るべき言葉や態度を具体的に選択する。という3つのプロセスが必要です。

・自分が何をいいたいかだけを理解した後、すぐに発言してしまっては、相手に誤解を与えることもしばしばでしょう。必ず「相手の受け止め方」を想像してから、それにあわせた伝達方法を選ぶことが重要です。

・戦争中の「産めよ増やせよ」と、現代の「こんな少子化が続けば日本経済の先行きが暗い」という考え方は全く同じです。



ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法

ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法

  • 作者: ちきりん
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2011/01/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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