SSブログ

『忍者 起源から忍術・武器まで闇の軍団の真実に迫る』 [☆☆]

・忍者にとってもっとも大切にすべきことは「正義の心」。これは、忍術自体が盗賊の術に近いものであるからこそ、それを正しく使わなければ忍者でなくなってしまうことを戒めているともいえるだろう。

・忍者の人心操作術の基本ともいえるのが「五車の術」だ。これは「喜・怒・哀・楽・恐怖」という、普通の人間にはコントロールするのが難しい感情を利用することで人を操る術のこと。

・喜車の術とは人をおだてて喜ばせて操り、怒車の術では人を怒らせて平常心を失わせて隙をつくる。また、哀車の術では同情を誘って泣き落とし、楽車の術は人を楽しませ、恐車の術では脅してしたがわせる。

・抗いがたい欲求である「食欲・性欲・名声・財産・風流」という五つの欲につけ込む「五欲の術」もある。相手が美食家であれば食で釣るのが効果的であり、色欲で骨抜きにすることもあれば社会的地位などを餌にしたり、金銭で操ったり、相手の趣味や収集しているものなどで取り入ることもあったという。

・忍者の修行に「虎之爪」という鍛錬がある。これは器に砂を入れ、そこに指先を突き込むというもの。砂に慣れたら砂利に換えて同様の修行を行い、さらに指先での逆立ちや指で木にぶら下がるなどの修行も行っていた。これらの鍛錬により、忍者は指だけで米一俵(60キログラム)程度は持ち上げられたという。

・忍者が陥ってはならないものとして「恐怖」「侮り」「迷い」を「忍びの三病」と定義している。

・人間の心理として、特徴のある声や顔、体型の人を相手にしたとき、どうしてもその部分に意識が集中して他に目がいきにくいという特性がある。例えば現代でも、顔に絆創膏を貼っておくだけでそちらに気を取られ、肝心の顔に関しては覚えていないことが多いのだ。

・絶対に忘れてはならない大切なことには、不忘術という秘術を用いたとされる。これは、大切なことを思いながら自らの身体に傷をつけるという記憶術。普通の記憶は海馬に保存されるが、恐怖をともなう記憶は大脳辺縁系の扁桃体に保存される性質を利用したもの。

・手裏剣は「投げる」ではなく正しくは「打つ」と表現される。



イラスト図解 忍者

イラスト図解 忍者

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日東書院本社
  • 発売日: 2012/11/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:川上仁一
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0