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『行動分析学入門 ヒトの行動の思いがけない理由』 [☆☆]

・人間というものは、自分にとって気にくわないことを相手がする時は、必要以上にその行動を過大評価するものである。

・行動を改善しようとする時には、原因となる変数を操作する必要があるから、操作できない変数を原因と考えても無意味である。

・天文学者が美しい夕日を見ながら「ああ、陽が沈んでいく」と言ったとしても、天動説を信じているのではない。

・とくに人間の行動は「意図」して行われるものだと考えている人たちは、おそらく知識こそが行動の源と思っている。

・指示を出せば相手はその通りにすると考えるのは、ある意味では幻想である。

・相手の行為に不満を感じ、それを何とかしようとやっきになる行動が、実は相手にとっては問題行動の好子となり、問題行動をかえって助長してしまう。もちろん、当事者の多くは、そのことに気づいていない。

・科学が発達したこの世の中にあって、イヌに色覚があることが20世紀の最後になってやっと証明されたというのはまことに不思議に思えるが、この問題に興味を持つ科学者がほとんどいなかったのだろう。

・人工衛星の軌道の測定は、たとえそれがどんなに複雑であってもしないわけにはいかないが、ゾウの体表面積を測定する方法を考案することは、イグ・ノーベル賞の対象となるのである。

・人々の会話の60~70パーセントは社交的な話題、すなわち、ゴシップである。個人的な人間関係や好き嫌い、個人的な経験や他人の行為がえんえんと語られるのである。

・電気をつける行為は、自己完結的である。一方、電気を消す行為は、他者を介してしか強化されない。したがって、社会が教えなければ習得できないし、維持されないのである。

・痛みそのものの感覚は本人だけに属する私的刺激であるが、血が流れていたり、青痣ができたりした場合には、出血や青痣は他者にも見えるから、公的刺激となりうる。




行動分析学入門 ―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

行動分析学入門 ―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

  • 作者: 杉山 尚子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/09/16
  • メディア: 新書



タグ:杉山尚子
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