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『溺れる犬は棒で叩け』 [☆☆]

・面倒くさくて「あ、そう」しか言わなかった。――だから駄目なのだ。大人はもっとたくさん言葉を使う。コミュニケーションを面倒くさがっているうちは子供なのだ。

・コイは清流に棲む魚に比べて水の汚れに強く、雑食なので餌を選びません。元々、環境を選ばないために食用に養殖されていたものが急速に広まったので原産地がどこかもわからないくらいです。

・錦鯉は19世紀の初め、文化・文政時代頃に新潟県山古志村で食用に飼育されていた真鯉から突然変異で生まれた緋鯉と白鯉を掛け合わせたもの。コイ自体は外来種ですが、錦鯉は純国産なのです。

・コイは極めて進化した種類の川魚なので歯はピラニアやサメのように口の端っこではなく、のどの奥に生えています。

・「錦鯉」は戦時中に作られた言葉で、「色鯉」は「色恋」のようでふしだらだからというどうでもいい理由で禁じられたとか何とか。

・理系男子って奴? 高機能社会不適合者?

・人はときに、事実よりも安心感にすがってしまうものだ。

・「あいつにできたんだからお前も頑張れ」というのはパワハラの典型だ。

・今どき刑務所は小学校のよりおいしい給食が出るって聞いたことがある。犯罪者を甘やかしている、とも。

・意外かもしれないが、日本の人喰い鬼は人を喰わない。

・日本の鬼は、滅多に自分では喰わない。他人に食べさせる。

・中間管理職が一番嫌いなことは何か知っているか。事態がどうしようもなくなってから助けを求められることだ。

・考え込んだ時点で喧嘩は負けだ。相手の気迫に飲まれてしまっている。勝てる相手ならとっくに動いているはずだ。

・日本人が神経質で繊細とか嘘ですテキトーなんです。もっとその場のノリ重視の民族です。

・ものすごい職人が一瞬神技を見せて、二度と誰も再現できないとかが日本の「粋」なんです。後世に伝えようと思っていない。自分が今楽しければそれでいいんです。だから誰にでもできるノウハウなんてないんです。

・「溺れる犬は棒で叩け」って中国の諺知ってる? 助けようとしたらかえって咬まれる。

・「職人の勘」だらけで基準がよくわからない錦鯉の選別ですけど、一つだけ素人でも確実なのがあります。「群れの中で一匹だけずば抜けて大きい稚魚は、共喰いするので必ず間引く」――それが絶対の掟です。自分の兄弟を喰う奴は他の個体の可能性を勝手に潰すくせに大成しない。大局的に見て損しか持ってこない。

・ゾンビが怖いなら自分もゾンビになればいい。死神が怖いなら自分も死神になってしまえばいい。




溺れる犬は棒で叩け THANATOS (講談社ノベルス)

溺れる犬は棒で叩け THANATOS (講談社ノベルス)

  • 作者: 汀 こるもの
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/07/04
  • メディア: 新書



タグ:汀こるもの
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