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『国語、数学、理科、誘拐』 [☆☆]

・優等生で中学生活を過ごしてきた人は、大学生になって塾講師をするとき、「自分が中学生だった頃のような生徒」を想定して授業に臨む。ところが、成績下位のクラスの生徒たちの学力や学習態度はそのイメージからまったくかけ離れているのだった。そのギャップに耐えられずに学習指導に挫折してしまう大学生講師は珍しくないそうだ。

・性格は悪いけれど、残酷なことをするような人じゃない。

・わからないことがあるとなんでもケータイで調べるようになったら、人間ってどんどんバカになると思う。

・クラスの他の生徒たちが「こんなの勉強しなくてもしゃべれればいい」などと決まり文句のように嫌ったのは文法だったが、他人が苦手というものほど意地になってモノにしたくなる性格が幸いして、助詞の分類や助動詞の活用まで完璧に頭に入れた。

・自分は成績を上げる努力もせず、低迷したまま同じレベルのクラスメイトとつるむという楽な道を選んでいるくせに、成績のいい者を貶めることによって相対的に自分のほうが上だと位置づけたがる。

・控えめにしているから周囲の人間がつけあがるのだ。だから、いくら俺を貶め、相対的に自らの価値を上げようと頑張ったところで、お前たちは成績においては下なのだ、ということを思い知らせなければいけない。

・クロロホルムはたしかにかつて外科手術の際の吸入麻酔剤として用いられていましたが、それは百年以上も前の話。しかも、吸入により痛みを和らげることはできても、気を失わせることはできません。

・自分で理解することと、他人を納得させるように教えることとはまったく別のことなのだ。

・いじめは生徒たちの心の中から生まれて、周りの空気によって育てられていく。部外者である教師がいくら介入したところで、空気そのものを変えることなんてできない。

・テレビなんかじゃ、よく、いじめの責任の所在を教師に求めるような報道がなされるが、ああいうものを見るたびに、責任のない大人たちが周りから学校をいじめているようにしか見えなかった。

・最終的には「私は、家でちゃんとあの子に勉強するように言っているんです!」と大声でわめき散らす始末。……結局、自分が親としての責務を果たしていないと思われるのが嫌なタイプの母親なのだ。

・勉強ができると、心の余裕が生まれるんだって。勉強するってことは、知識や応用力とともに余裕を手に入れることなんだ。そうなるとね、人に優しくできるんだって。

・勉強ができて成績が良くなると、他人を支配できたような気になってしまう人がいるけれど、それは勉強したことの使い方を間違っている。本来、誰よりも勉強ができる人は、誰よりも優しくなれる可能性を秘めた人なんだ。





国語、数学、理科、誘拐

国語、数学、理科、誘拐

  • 作者: 青柳 碧人
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/07/09
  • メディア: 単行本



タグ:青柳碧人
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