SSブログ

『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』 [☆☆]

・生前のピカソは、日常生活の少額の支払いであっても、好んで小切手を使ったという。商店主は、小切手を銀行に持ち込んで現金に変えてしまうよりも、ピカソの直筆サイン入りの作品として部屋に飾るなり、大事にしまっておくだろう。そうなれば、小切手は換金されないため、ピカソは現金を支払うことなく、実質的にタダで買い物を済ませることができる。

・保守的傾向の強い人は、必要以上の保険料を払い、楽観的な人ほどギャンブルにお金を払う。面白いことに、この生命保険とギャンブルの市場は、どちらも約20兆円と同程度の市場規模を持っている。つまり、不安と欲望に飲まれてお金を失う人が、一定の割合でいるのである。

・保険の正体は、ファイナンス的にいってしまえば、「自分が死ぬほうに賭ける」という意味である。

・保険に加入した途端、生命保険会社という巨大な胴元に死ぬまで手数料を抜かれ続ける、損な賭けに参加したことになる。

・多くの人は、宝くじの250万分の1という当選確率の極小さを忘れ去り、「3億円が当たるかもしれない」と根拠もなく期待して宝くじを買う。そして「ひょっとしたら事故に遭うかもしれない」と不安になって保険に加入する。このような感情に基づいた判断を繰り返せば、自然と財布の中身は寂しくなる。

・心をコントロールできなければ、つまり、心を立ち止まらせ「求めない」状況を維持できなければ、調和を保てず幸せにはなれない。

・最終的な勝者は、人と動かす者だ。すべてのビジネススキルの中で、組織力学・行動心理学こそ学ぶ価値がある。

・P/Lは、ある「期間」の「成果」を表し、B/Sは、ある「時点」の「状態」を表す。

・成果(have)の積み上げは状態(be)を作り、状態(be)のコンディションが、実践(do)に影響し、次なる成果(have)を作り出す。成果(have)だけを見ていては、そのポテンシャルを見失うことになる。状態(be)こそが、戦略的に優位な状況を創り出す要になるのだ。

・投資とは、成功した者(多少のお金を得た者)がこれから成功する者に、たすきをつなぐ行為である。

・デザイン(design)の語源は、デ(de:削る)・ザイン(sign:形作る)である。これはラテン語で「私欲を削り落とし、本質を磨き上げること」を意味する。

・買い物の1、2、3のルール。これは「1度に買う物は1個」「買おうとした1回目では判断せず、少し頭を冷やし、再訪するなどして2回目に買う」「何かを買うときには、必ず3個以上のものを比べて選ぶ」というものである。

・忘れないでほしいことは、21世紀のキーワードが「所有でなく、使用」だということ。お金も、部屋も、車も、会社も、人間関係も、あらゆるモノについて人びとは所有を放棄していく。その代わり、いつも「使える状態」、あらゆるモノにアクセスできる状況をつくっておくことが大切である。

・経営破綻し、まったく価値のなくなった企業の株価が1~100円の間で推移するのをみることがあるだろう。これは、企業の実態に価値はないが、取引を行える流動性自体が価値になっていることを意味する。

・ソーシャル・ネットワークは、個人間の紐帯を明らかにし、強固にし、組織化し続ける。早晩、ウェブは我々の「履歴書」となり、個人の「信用」の源泉となるだろう。

・フェイスブックやツイッターといった個々のサービス自体は弱体化し衰退するかもしれないが、この個人間の紐帯を強化する流れが止まることはない。

・服の「機能」という面に限っていえば、ほとんどの国民が「普段着はユニクロで十分」と思っているのではないだろうか。つまりユニクロは「衣のインフラ」となり、国民服となっている。

・もはや人は、モノを買わない。モノの機能はすでに十分であり、先進国では必要量の数倍にのぼるモノが生産されている。人は、「つながり」と「物語」にお金を投じるのだ。

・世のビジネスパーソンの多くは、ビジネス書を読んで知識量やスキルを高めることばかりに時間を割いている。だが、信用を築くために大切なのは、エゴを減じることや謙虚さを養うことである。優秀さとは、能力と謙虚さの掛け算なのだ。

・いいか、ここにコップがある。水を注ぐとコップに貯まっていく。普通の人は、半分貯まったら飲んでしまう。だが俺はまだ待つ。そのうち、コップ一杯に貯まる。でも俺は口をつけない。注ぎ続ければやがてコップから水がこぼれ落ちる。俺はそのしたたり落ちる水を「すする」のだ。そのことこそ俺が金を貯められた理由だ。

・お金で買えるものとお金で買えないものの境目を、倫理(モラル)という。そしてそれは、社会によっても時代によっても大きく異なる。

・お金でコミュニケーションできる状態にすることを「コモディタイズ(商品化)」するというが、今、多くのものがコモディタイズされている。

・これからのコミュニティの土台は、場所でも仕事でもない。その人が何を考えているか、何を大事にするか(美意識)といった軸で、人びとはつながっていくようになる。価値観がコミュニティの土台になるのである。

・言語の問題は結局、「慣れ」だ。日本人が英語を話せないのは、勉強時間が少ないからではない。そうではなくて、日本で放送される海外のテレビ番組や映画が、生の英語ではなく、日本語への「吹き替え」だからだ。ヨーロッパの放送局では、そのような「過保護」な制作は行われない。だから人びとは子供のころから、生の英語でコンテンツに触れ、英語に慣れている。

・なぜ、政府も国民もみな、雇用が大事だと言い続けるのだろうか? それは、みな時間を持て余すことを恐れているからだ。現代人が真に恐れていることは、飢えることではない。存在意義(アイデンティティ)を失うことだ。





なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?

なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?

  • 作者: 山口 揚平
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2013/03/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?

なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?

  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2013/03/07
  • メディア: Kindle版



タグ:山口揚平
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0