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『間抜けの構造』 [☆☆]

・そういう失言をテレビや新聞の記者連中が、マイクを突きつけながら鬼の首をとったように、「国民に説明してください!」「真意はなんですか!」と、目くじらを立てて非難するのも、それはそれで間抜けに映るけど。

・間抜けなやつに共通しているのは、自分がどんな状況にいるのか客観的に見ることができない、ということ。

・新聞や雑誌の取材で、人の話を聞く前に、頭の中で勝手に筋立てを作ってしまう人。こっちが答える必要がないの。あえて答えれば「はい」か「いいえ」しかないような質問ばかりするんだ。

・「(笑)」って、冷静に考えればおかしいだろ。相当間抜けだよ。笑うところかどうかわからないやつのために、「ここは笑うところですよ」って教えてやっているつもりなのか。そうだとしたら余計なお世話だ。

・テレビを見ているときに、文字で確認してからじゃないと笑えない。そんな時代になっているんだろうけど、そうだとしたら、今の人は相当頭が悪いね。

・「間」が悪い人というのは、話をしている途中で息を吸っちゃう。息継ぎが下手なの。自分の頭の中で、「この話のどこで息継ぎをするか」を考えていない。

・アートというのは、職人芸からの解放なんだ。それができるのが芸術家。ところが職人というのは、自らの職人芸でアートを封じ込めるという。

・そもそも電気があるのが当たり前だと思っているんだから。マッチ1個、釘1本、自分でつくれやしない。それこそ天変地異が襲ったら、一瞬で終わっちゃう。そういう危うい土台の上に、我々は立っているということを忘れちゃいけない。

・意味がわからないとか、最初の頃はよく言われたけど、そんなの自分で考えろよ、と言いたい。そこまでバカなやつに付き合う気はないんだ。

・なんで最近の映画やドラマは、あんなに台詞で説明しようとしちゃうんだろう。それだけ観ている方の想像力が落ちているということなのか。

・映画でも3Dが流行っているけど、これも奥行きという「間」を埋めちゃうことになる。立体を具体的に説明しようとして、かえって立体的に感じなくなる。

・映画に限らず芸術の分野でこそ、どんどん新しいことにトライしていかなければいけないのに、かえってそういう世界の方が「これまでの常識や伝統を守る」という意識が日本では強いよね。

・やっぱり日本人は、他人の目というのを過剰に気にするのかな。でも、それだと新しいものはつくれないだろう。

・なぜ芸能人が占い師とかあやしい神様にはまるかというと、どうして売れたかが自分でもよくわからないからなんだ。理由なんて頭でいくら考えてもわかるはずがない。





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