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『悲痛伝』 [☆☆]

・自国だから私達には目に付くというだけで、日本というのは世界地図でも気をつけなければ見えないようなサイズの国ですよ。人類の大半は、日本という「島」がどこにあるかも知りません。

・東京ドーム1個当たり10万人と換算すれば、およそ30個分となります。

・現代の武器を使った戦闘においては、個々のフィジカルはすべて等しく均されます――ですから、重要なのはメンタルの強さになります。

・暗黙の了解は、口に出さないからこそ、暗黙の了解なのだ。

・考えてもしょうがないか。それよりここでリアクションが遅れるほうが問題だろう。判断の遅い無能だと思われてはそれこそ命にかかわる。

・個人的な友人……いつもそういう場所から情報は漏れる。

・相手に意思があるなら、和解は成立しづらいと思います。相手を意思なき現象だと思うから、退くことも避けることも許すこともできる。

・「無人島にひとつだけ何かを持っていくのなら、何を持っていく?」というものがある。そんな質問に、「プライド」と答えたものだったが。今から思えば死にたくなるような答えだ。

・ガソリンが切れたら動かない物体と化す自動車やバイクよりも、体力が続く限り漕ぎ続けられる自転車を選んだのだった。

・まだ生き延びてはいない。まだ生きているというだけだ。

・香川県においてはうどんってのは、食べ物じゃなくて飲み物なんだから。喉越しを味わってね。

・高度に発達した科学が魔法と区別がつかないように、魔法は高度に発達した科学と区別がつかないもんだしね。

・重要なのは勝利ではなく、敗北してもなお利益を得る戦いかただ。

・彼が活躍しているのは、自らのミスで陥ったピンチへの対処がうまいからに過ぎない。そういうのをマッチポンプと称するべきなのだ。

・あれは戦闘が特別ではなく、戦闘が極限状況ではなく、日常になっている人間の振る舞いだった。

・矛盾するふたつの命題を同時に実行できるテクノロジーこそが、進化を招くのだけど。

・世の中には、存在しない悪意を他人の中に作り出すことに長けた、なんというのか、扇動と先導の達人みたいな人間が意外と多くいる。

・人という字は互いに支えあって成立すると巷間よく言われるが、しかし実際にはそうではなく、あの形は一人の人間が立っている姿をそのまま字にしたものだ。

・きみは誰かに嫌われている。きみが誰かを嫌っているように。

・本来スナイパーが射撃ポイントを決めるときには、「狙いやすさ」よりも「狙われにくさ」を考慮する。

・俗にパイロットの6割頭という言葉がある。飛行機の操縦のような高度なプレッシャーのかかる状況下においては、人間はその思考力が6割程度にまで低下するという意味合いなのだ。





悲痛伝 (講談社ノベルス)

悲痛伝 (講談社ノベルス)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/02/27
  • メディア: 新書



タグ:西尾維新
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