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『なんでコンテンツにカネを払うのさ?』 [☆☆]

・あらゆる作家やクリエイターは、絶対に模倣やパロディから出発する。そこがクリエイティブの土壌であり、源泉なのだ。禁止すれば必ず枯渇する。既得権を守るために、土壌そのものが痩せてしまったら意味がないじゃないか。

・重度の愛書家は冊数ではなく、「トン」で数えますよ。本棚の数が20を超えたら、単位はトンになりますね。

・昔のマンガだと、10巻を超えるのは滅多にありませんでした。『デビルマン』は全4巻ですし、『巨人の星』でも全11巻でしょう。

・ネットに公開してコピーできるようにしたことで、いろんな人が本の中身を引用できるようになった。引用されると、本は売れます。今の世の中では、「知られていない」ということが一番まずい。

・権利者はしばしば権利を守ること自体が目的になってしまう。「権利が守られてさえいれば、そこから収入を得られなくてもかまわない」という本末転倒な話にもなりかねません。

・著作権は、確かに厄介な存在です。しかし、100年以上の期間を構築されてきた、血と汗の結晶でもあります。だから、生半可なことで突き崩せるようなヤワな相手じゃないんですよ。

・もし、弁護士から文字通り100%のお墨付きをもらえるまで新規ビジネスに参入しないという企業があれば、その企業や産業は確実に衰退、没落していきます。

・電子は「所有」の喜びが少ない分、紙と同じ価格ではなかなか買いませんね。著名な作家でも電子書籍のダウンロード数はたかがしれたものでしたし、電子書籍元年は「ほろ苦」な結果になりました。

・流通・小売店であるコンビニが偉くなってきて、商品を作る側はコンビニにおいてもらえる商品を作ろうとする。そして、消費者もコンビニしか使わないようになってくる。

・プロとアマとの違いは、生活のために創作するか、楽しみのために創作するかにあります。

・うまいだけなら、趣味でやっていけばいいんですよ。コンテンツを作って食っていきたいという奴に会うたび、「草野球が趣味のサラリーマンみたいに、もっと真面目に生きろよ!」と言いたくなっちゃう。

・西原理恵子さんクラスなら、年間1000円で作品を読み放題にするという手がありますね。10万人くらいは購読するだろうから、それで1億円。コンテンツごとに課金するより楽でしょう。

・旧共産圏のアニメーションなんて、生活保障があればこそ、あれだけの水準を保てたのでしょう。

・みんな、コンテンツに対してお金を払っていると思っているけど、それは言い訳に過ぎません。お金を払う対象は、崇拝の対象となる人自身です。そうでなければ、コンサートでステッカーなんて売れるわけがありません。みんなステッカーマニアじゃないんだし。

・みんなスタジアムに足を運ぶ。スタジアムに入れなかったら、外のライブビューイングで試合の様子を見たりもする。テレビ放送と同じ内容なのに。私たちが欲しいのは、ライブの体験なんです。

・「読みたい本」と「愛したい本」の差を、ちゃんと値段で差別化できる。

・サイン会こそが、僕らのライブ。どうして紙の本を出しているのか? 「本はサインをするための媒体です」って言い切らないとダメだし、それ以外にこれが紙である理由はまったくありません。

・「あ~、君500円でデジタル版を買った人なの?(プッ) 僕は5000円の限定版を買ったけどね」。そういうファン意識というか、好きな作品に5000円を払った自分が好きというか。

・中国語の「日本鬼子」(リーベンクイツ)は日本人に対する最大級の蔑称で、反日デモではこの言葉が叫ばれることが多い。

・僕らがユーチューブにコンテンツをアップロードするのは、巨大なピラミッドに石を積んでいるようなものなのかもしれない。僕らはユーチューブのユーザーのつもりでいるけど、視点を変えると、ユーチューブ帝国の奴隷なのかもしれないですよ。






なんでコンテンツにカネを払うのさ? デジタル時代のぼくらの著作権入門

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  • 作者: 岡田 斗司夫
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2011/12/01
  • メディア: 単行本



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