SSブログ

『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』 [☆☆]

・お互い、個人の感情でものを言っているにすぎないのだから、生産的な議論になりはしない。相手の主張を踏まえて自分の考えを修正しようなんて、これっぽっちも思っていないのだ。すると、己の意見に酔うだけの言い合いにしかならない。

・子供のようなことを言う。この歳にもなって自分の身内を「さん」付けで呼ぶような人間である。

・時として人生には無駄が必要だ。ゴミの中に花が咲くこともある。

・母は息子の肩を抱き寄せる。わが子を守ろうとしているというより、自分の不安を預けているように見えた。

・おとなしくて、気のいい子だったという。気がいいということは、いいように使われやすく、ひいてはいじめられる可能性を秘めているともいえる。

・殺人事件の加害者が捕まれば社会秩序は回復できるが、被害者遺族にとっては何も回復されないのだ。

・感情的な発言はジャーナリストとしての品位を下げるよ。

・番組で特集を組むとか、そういうことは絶対によしてくれよ。煽ったりすると、住民にいたずらな不安を与えることになるし、どこかのバカが便乗を思い立つからな。

・ルールがあるならルールを守る、自分の都合でルールを変えない。あたりまえのことだ。だが世の中には、そういうあたりまえのことができない人間が多すぎる。

・大人になってからモラルを説いても手遅れなんだ。子供の時分に体にしみこませておかないと。これは、親の義務だ。

・親しくないから愛想よくしゃべるんだよ。よそ行きというやつだ。親しい人には計算せずに気持ちをそのまま出してしゃべるから、時には不機嫌だったり怒ったりもする。

・貸しをいろいろな方面に作っておくと、あとあとかならず自分に返ってきます。世の中、結局は人脈ですからね。

・おいしいラーメンを作ろうと思ったらね、ラーメンを研究してもだめなの。フレンチとかイタリアンとか焼肉とかお寿司とか、全然違う料理を知っとかなくっちゃ。

・何でもそうだけど、人間、結局は、どれだけ引き出しを持っているかが勝負なんだよね。

・そもそも金持ちや地位のある人間は、それだけで嫉妬の対象になる。

・近しい人間は、時として最も憎むべき存在となる。

・結婚などするものではない、私を見ればわかるでしょうと、自分の価値観を押しつける。

・富士山信仰は江戸時代にピークを迎える。国の中心が江戸に移り、そこから日常的に富士山を見ることができたのも、信仰に拍車をかけたのだろう。日本の中心が京や大坂であったなら、はたしてどうだったか。

・わが国も銃犯罪が増えてきているとはいえ、それは短銃によるものである。脅しにモデルガンを使うとしても拳銃を選ぶだろう。機関銃はあまりに日常性を欠いており、怖がる前に笑われてしまう。





舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵 (カッパ・ノベルス)

舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵 (カッパ・ノベルス)

  • 作者: 歌野 晶午
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/11/20
  • メディア: 新書



タグ:歌野晶午
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0