SSブログ

『「自分を変える」読書』 [☆☆]

・「自分で自分を変えよう」としても難しい。それよりも「付き合う友だちを変えて自分を変えよう」とする方が簡単だ。

・人間は実体的存在ではなく関係的存在である。より友だちと付き合えば自然に自分は良い方向に変化していく。逆に悪い友だちと付き合えば自然に自分は悪い方向に変化していく。

・幸福の秘訣の一つは、自分自身の気分に無関心でいることだと思う。

・最初から外部に助けを求めると人間はもっと弱くなる。そうではなくて、まずは自分で自分を助ける気持ちを持つこと、それがその人を強くすることにつながる。

・支援が実を結ぶかどうかは支援される側が「自助の心」をどれくらい持っているかではないか。

・人間の一生で最も無益な感情が二つある。すんでしまったことに対する自責の念と、これから行なうことへの不安である。

・「働かされる大人」になるな。

・何だかんだいっても、組織を動かしているのはじじいであり、そのじじいを一方的に批判し、彼らと対立しても「百害あって一利なし」である。

・人間は言葉を使って考える。持ち駒としての言葉を増やすことは考えるツールを増やすことに他ならない。

・語彙が増えれば感情が細やかで豊かになる。何らかのストレスを感じたとき、どんな状況においても「むかつく~」と言う人よりも、多様な言葉を知っている人の方が自分の心情を正しくつかむことができる。

・問いには2種類ある。「実態を問う」ケースと「なぜを問う」ケースである。例えば、「中学生の塾通いはどうなっているのか」は前者の問い、「なぜ中学生の塾通いは増えているのか」は後者の問いである。

・「実態を問う」ケースでは、調べれば一応の答えが得られるので思考力が鍛えられることはない、一方、「なぜを問う」ケースでは、自分なりの想像を働かせてその原因をさかのぼっていく過程で思考力が鍛えられる。

・読解力をいかに向上させるかについて考えてみると、一番よい方法はその文章を書き写してみることだ。「筆写は精読の方便である」という名言がある。

・社会に対する「当事者意識」を有した人、それが「常識的な人」である。そういう「当事者意識」を持った人を「まっとうな大人」(=常識的な人)、それを持っていない人を「子供」と類別する。

・行き場のない障害者たち。彼ら彼女らにとって刑務所は「福祉の最後の砦」だった。

・生死を分けた一つの要因は「体を動かす」ことだった。鳥の干し肉だけを食べ、洞窟の中で寝そべっているだけの人間は病で倒れていった。磯歩きをしてわずかながらの魚介類を集め、それを口にした人間は生き残った。「体を動かす仕事を切れ目なしにしていないと、気持ちも体も衰える」ということだった。

・優れた小説で代理体験を積んでいくことは人生を豊かにしてくれる。

・「パパラギ」とは、サモアの言葉で「空の穴から来た人」という意味である。昔々、海の向こうから宣教師を乗せた舟がやってきた。舟の白い帆を遠くから見たサモアの人は、それを「空にあいた穴」だと思った。それから「白人」と「空の穴から来た人」は同じ意味を持つようになった。

・人間の体が進化の産物であるのと同様に、その心も進化の産物である。

・体幹を鍛えるときにまず身につけたいのがドローインという動きである。お腹を引っ込める動きであり、「世界一きついズボンをはいてジッパーを上げる」ような感覚と表現される。この動きをまずは身体に覚えさせる。

・社会が急速に近代化するにつれて、個々の人が実際に残酷に生きるということは少なくなてきた。しかし、残酷に生きるということへの無知が、無知ゆえのもっと冷たい残酷を生んだり、残酷も選択する人間の可能性を狭めたりする。

・国民の正当な要求を実現しうるシステムが機能不全に陥ると、国民に、本来見てはならない夢を疑似的に見せることで国民の支持を獲得しようとする政治勢力が現れないとも限らない。

・若者に自己決定を強いるだけで、決定に必要な判断基準(価値)について教えていないのではないか。

・「私は命を持っている」とか「私は生きている」という表現は本末転倒であり、「命が私をしている」「命があなたとして現れている」という表現の方が、命題として適切のように思うのです。

・勉強することは単に知識や学力を身につけることではなく、私たちの頭脳や身体を知的に組みかえていくことである。

・勉強とは、生まれたままの「自分」を否定して、社会的な「自己」をつくっていこうとする営みであり、「ありのまま」の自分を一度否定して……社会に期待されている「あるべき」自分(近代的個人)に変身しようとする冒険なのである。

・教育の前にすでに個人があるわけではなく、個体(生物)が個人(人類)になるために教育がある。

・日本の言論人はスペシフィック(局所的)ではあってもコンプリヘンシヴ(総括的)ではない。よって、部分的に正しいことはいえても、社会のあるべき姿とか、時代が進むべき方向性というような大きなヴィジョンを見定めることができない。

・意外や意外、地方公務員になるより地方議員になる方が簡単なんだぜ。





「自分を変える」読書: ”もっと面白く生きる”知恵を身につけよう (単行本)

「自分を変える」読書: ”もっと面白く生きる”知恵を身につけよう (単行本)

  • 作者: 戸田 智弘
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2013/10/10
  • メディア: 単行本



タグ:戸田智弘
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0