SSブログ

『怒る技術』 [☆☆]

・冷静に抗議する仕方は誰も教えてくれなかった。こんな状況にあって、どうにも自分を持ちこたえられなくなると、ただひたすらキレる。

・怒る技術を学ぶことは、効果的に怒る技術を学ぶこと、つまり怒りを爆発させるのではなく、冷静に計算して相手にぶつける技術を学ぶことです。

・「個人語」をつぶし「世間語」に置き換えようとする大がかりな運動がまかり通っている。こうした結果、人々はみな同じ言葉を同じ口調で語る。

・人は、自分が「正しい」と思った瞬間に、すべては汚れてくる。それがほぼ正しいとしても、どろどろに汚れてくる。

・ただ震えているだけでは駄目です。「許して下さい」と嘆願しても、彼は絶対に許してはくれない。ここは、彼を震え上がらせるだけの具体的な力を示すことがぜひとも必要なのです。

・いかなる怒りも、怒りをぶつける相手に対する偏見があり、自分は相手より「まともな」人間であるという思い上がりがあります。

・いままで、あんなにおとなしかったから、いい子だったから、何でも言うことを聞いてきたから、今まとめて暴れているのです。

・いくら話しても結局は行き着く先が決まっており、ただ奴隷のように彼の見解に従うしかないとなると、気が進まない。彼と話すことは無駄なのです。

・相談を寄せる人には、唯一の「本当の」自分を宝物のように大切にしているタイプの人が多い。自分を変えたい、変えたいと言いながら、それを後生大事にしている人が多い。

・相手と相互に理解し合うとは、相手と仲の良い状態を保つという意味ではありません。

・わが国では、何事も破綻しないように極度の慎重さで進む。だから、それにもかかわらず破綻したらもう終わり。誰も、その後のことを習得していないからです。

・世の中見渡してみますと、大部分の人間たち(特に立派な市民たち)の営みは他人から「よく思われたい」という壮絶な闘争です。誰もが、実際よりちょっとでも悪く思われたり、ちょっとでも実際より低く評価されると、身を震わせて嘆き苦しみ、相手をひたすら怨み通すのです。





怒る技術

怒る技術

  • 作者: 中島 義道
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2003/02/17
  • メディア: 単行本



タグ:中島義道
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0