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『ゲームシナリオのためのSF事典』 [☆☆]

・人々が洞窟を出て平地に家を築いたときから始まって、巨大な古墳やピラミッド、現在における高層ビルや海上都市まで、メガストラクチャーは常に人類と共にあり、時代ごとの最先端科学技術がつぎ込まれてきました。

・エントロピーとは、受け取った熱量を元々の絶対温度で割って求める値です。

・乱雑さとしてのエントロピーという概念が登場します。例えば散らかった部屋は、片付いた部屋よりもエントロピーが大きいというわけです。

・遺伝子治療は既に始まっており、それが一般化すれば「痩せる遺伝子治療」「頭が良くなる遺伝子治療」といったものも現れることでしょう。

・私たちの日常においても衛星を使ったGPSなどは軌道上と地上の重力差で生じるわずかなウラシマ効果を検知・補正しています。

・デマウィルスと呼ばれるものも存在します。これは「xxxx.exeというファイルがあったらそれはウィルス」などといった被害情報だけが流通するウィルスのことです。その情報に乗せられて重要なファイルを削除してしまうと、OSが正常に動作しなくなったりします。

・住居作成、農業開始、都市作成から始まり、人類の歴史は物理的に現実を改変する歴史であるといえるでしょう。情報によって現実を改変するAR技術もその流れにあり、それは全世界を個人ごとに超高速で現実改変する革命的な技術ともいえるのです。

・技術というのは、それが使われることで磨かれ、継承されるため、需要がなくなり、使われなくなった技術はあっという間に失伝します。

・マリー・アントワネットのために作られた懐中時計「ブレゲNo.160」は、天才職人アブラアン・ルイ・ブレゲによって無数の機構を組み込まれた逸品でしたが、歴史の中に失われ、長らく復元不可能とされていました。SFではロストテクノロジー(失われた技術)という用語があり、主に古代文明の超技術の産物などとして登場しますが、ロストテクノロジーは、こうした身近なところにも存在していると言えましょう。

・技術がわかりやすい言葉にならず、オープンに交換されず、職人芸、身体性に基づいていることがローテクらしさというわけです。

・ほとんどの突然変異は生物の生存にほぼ影響を与えない「中立」のものであるということが現在はわかっています。これが中立進化説です。

・ミトコンドリアイブとは、現代までたまたま女系子孫が絶えなかったラッキーな女性という以上の意味はありません。

・イングランド人とウェールズ人の遺伝的差異は実のところかなり大きいということが判明したのです。異民族との混血を避ける態度は実は意外と根強いものなのかもしれません。

・大気圏突入の際、隕石の内部は、あまり熱くならないという研究があります。表面は熱くなり蒸発しますが、そのため内部まで熱が通らないのです。

・宿主となる細胞内に侵入しても無分別に自己の複製を生産したりせず、その複製生産ペースをウィルスの感染によって発生する宿主細胞の死滅速度よりも低いか同じ程度に抑えることで、自己の複製を長期的かつ安定的に行おうとするタイプのウィルスが一般的です。

・ゴキブリはなんと3億年前の石炭紀に登場し、以来ほとんど姿を変えずに生き残っているという筋金入りです。それなのに生きている化石というイメージがあまりない。

・イチョウもまた、ゴキブリと同じくらいの時期に登場した生物です。かつては大いに栄えました。しかし、イチョウの仲間で現代まで生き残ったのは1種のみです。

・太陰暦は漁業や水運業に、太陽暦は農業に向いた暦であると言えます。

・ディストピア社会は、疑問と不満さえ抱くことがなければ穏やかに一生を終えることのできる社会です。

・小説、映画、テレビ作品、アニメーション、煙草、アルコール、などなど、娯楽や嗜好品の歴史は体制との戦いの歴史でもあると言い換えることができるでしょう。こうしたディストピアにおいては、ロストカルチャーの継承もまたテーマになりえます。

・建前としては宗教や民族を巡る争いが原因とされる戦争でも、実際には対立勢力間の資源争奪が根本原因である例がほとんどなのです。

・開発とは時に侵略の美名でもあります。

・表面は厚いガスの雲に包まれており、その下には当然ながら地面と呼べるものは存在しません。しかし惑星中心部には自らの重力で圧縮され液体金属になった水素があり、さらにその中には岩石の核が存在しています。

・宇宙人たちにとって地球に居る地球人と一番合わないのは緊張感の差かもしれません。宇宙空間は、死と隣り合わせの危険な場所です。そんな場所から地球にきた「宇宙人」たちの目に、平和ボケしたかのような地球人はどう映るでしょうか。

・命令系統が統一されている「帝国」は処理する情報が少なくすみます。それに対し、多くの有権者の意思を尊重しなければならない民主国家は情報量が増大します。銀河系規模の国家の場合は、情報の交換に時間がかかるために、帝国の方が民主国家より有利といえるのです。

・現実の全体主義国家では、人間を人間として団結させず、群衆に変えて操作します。

・日常生活のあらゆる要素が「情報」となったことは、かつて手段に過ぎなかった情報が、目的そのものにシフトしたことを意味します。

・ロボットの側の視点で見れば、この三原則は自分たちの自由意志の保有を禁ずるという、破るべき悪法です。ですので人類側としては「三原則があるので安心」と思うのではなく、むしろ「三原則が破られれば大変なことになる」と怯えるべきなのでしょう。

・第三次世界大戦でどのような兵器で戦うことになるのかについてはわかりませんが、第四次世界大戦はこん棒と石ころでもって戦うことになるでしょう。





ゲームシナリオのためのSF事典 知っておきたい科学技術・宇宙・お約束110 (NEXT CREATOR)

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  • 作者: クロノスケープ
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2011/04/09
  • メディア: 単行本



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