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『この空のまもり』 [☆☆]

・駅伝を見物する人間が脚立を持ってくる。これなら確かによく見える。だが全部の人間が便利だからと脚立を使えば、どうなるか。

・怒られなくても人は変われるよ。

・ニュースでは日本の人口の急激な落ち込みが取り上げられている。個人の医療費負担の増大が老人の寿命に影響を与え、何がなんでも助けるから、コスト的に助けられれば助けるという方針に切り替えた結果という話だった。これによって均衡出来たのは日本の財政だけではない、日本人の平均寿命も財政と均衡をとりつつある。

・金が無くて死ぬというより、自ら死ぬというほうが今際の時の気分はよかろう。

・担任は教科書を読み上げた。外国人とのつきあい方だった。子供にも分かる駄目な授業だと思う。良い外国人と悪い外国人を区別していない時点で最悪だ。何の役にも立たない。

・いじめだ受験だ登校拒否だで自殺などして損耗していくのが当たり前の学校の消耗品、それが子供なのに、貴重品として扱わなければならない悲劇が、教育現場を襲っている。

・現場の苦労を知らないで結果だけ見ていれば、言いたい放題にもなるってもんだよ。それが普通さ。

・腹を立てているだけでは駄目だ。必要なことは怒ることではなく、手をさしのべることだと思った。

・どんな人にも善意はある。ただまあ、それは小さく、勇気が足りないだけで。

・100万人といっても大した人数じゃない。全員集まって投票したとしても、小選挙区で国会議員二、三人選出できるかどうか、それくらいじゃないか。

・好きに根拠がいると思いはじめたのはいつだろう。思えばそれが大人と子供の分かれ目か。

・どうしようもない理由がみんなにあって、それが積み重なったのだろう。それを自らの逃げ道にしてはいけないのだろうが、他人を許す材料にするのならありなのではないか。





この空のまもり (ハヤカワ文庫JA)

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  • 作者: 芝村 裕吏
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/10/23
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