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『ハーバード、オックスフォード…世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方』 [☆☆]

・教養や哲学についてこんなことを言っています。「それはすべてを忘れたときに残るものであり、すべてを習った後にでも、なお足りないもの」。

・その感じ方、認識のスタイルこそが、あなたという人物を形づくる重要な要素です。分類的な言い方をするならば、あなたの認識の仕方は、より「アナリティック(分析的)」なのか、より「ホリスティック(全体的)」なのか。

・きっとあなたにも、決して他者とは混ざらない黄身の部分と、周囲が混ざり合い、影響し合うことによって柔軟に形を変える白身の部分があるはずです。

・同じボウルの中に割られ、白身を共有することになった卵(個人)は「我」という意識から「我々」という意識に変わっていく。

・女子たちには「周囲に影響されやすい」「周りに同調しやすい」という傾向も見受けられ、「この人が怪しいんじゃないか」という空気が一度できてしまうと、みんなでその方向に突き進んでしまいます。集団心理に影響を受けやすいのです。

・個人差などたいしたことはない。仮に、体が大きくてケンカの強い大男が偉そうにしていても、大男が寝ている間に襲いかかったり、大勢が束になって攻撃すれば簡単にやっつけることができてしまう。そういう意味で、ホッブズは「そもそも人間はみな平等だ」と言ったのです。

・ホッブズは、みんなが似たような能力を持つ、いわゆる平等状態にある限り、人々は常に相互不信を起こし、お互いが敵になると述べています。

・誰かから攻撃される前に軍備を整え、先制攻撃をしかけ、支配し続ける、これしか方法はありません。結局、それが相互不信の社会の中で、自らの安全を守る唯一最善の術。これがホッブズの基本的な考えです。

・日本人の気性は、あたかも季節的に吹く台風のようだ。台風が突発的な猛烈さを示すように、日本人は突如として感情が燃え上がり、突発的に強度を増し、一つの方向へ邁進していく。しかし台風による強風は一過性のものに過ぎず、いつまでも吹き続けることはない。

・テレビや新聞、インターネットで与えられた情報を受け、あたかもそれが「自分の考え」であるかのように勘違いし、暴走する人は少なくないように感じます。

・結婚の多くも「自由からの逃避」そのもの。

・本当の独立、真の自由を実現しようとすれば、人はどんどん孤独になり、他者とのつながりを失っていくことになる。多くの人はその孤独に耐えきれず、自由を放り出してでも、人とのつながり、社会とのつながりを求めるようになる。

・「平等がもたらす害悪」は少しずつ進行していくので、人は状況に慣れてしまい、問題に気づくことができません。

・共産主義の社会では、どんなに働いても得られる収入は基本的に大差ありません。人々の生活を支えるのは国家という制度であり、人と人とのつながりではない。そんな無気力なムードによって、人々は助け合う精神を忘れ、一緒にがんばって「何かしらの成果を残そう」「高みを目指そう」という気持ちを失っていく。

・アメリカ人よりも「平等寄り」の日本人がホームレスの人にお金を出さないのは、「それは公的機関の仕事だ」という感覚があるためのように思います。

・高齢化社会が急速に進む日本にあって、安楽死を認めず、延命措置ばかりに重きが置かれていたら、医者不足や医療費問題などが悪化し、社会全体を圧迫するという意見もあります。

・マルクスの言う労働価値説は「労働の量」だけに注目していて、「生産性」を無視している。生産性という要素を無視して商品の価値を決定づけるのはおかしい、というのがシュンペーターの主張です。

・国が借金をして経済政策を取ったとしても効果がなく、借金を抱えるだけに終わる可能性も十分にあるわけです。それならばと、さらに次の借金をして経済政策に打って出るというのは最悪の悪循環です。

・公債が増えると(国借金が増えると)、人々は将来の増税を見越して、現在の消費を少なくするだろう。

・日本の平均的な高校生は音楽や美術の授業中に数学などの受験勉強をしているほどです。しかし世界の知識層の間では、音楽や美術といった芸術を理解できないようでは「人間の本質」を理解できないと考えられています。

・「真の芸術」というものは、絵画そのものにあるのでも、画家自身にあるのでもない。「真の芸術」が息づいているのは、画家が描き出そうとした「思い」や「イメージ」であったり、モデルや風景が持つ匂いや空気感、生き様や手触りのようなものである。

・ゴッホの「靴」という絵が内包する芸術は、絵そのものにあるのでもなく、古びた靴にあるわけでもありません。靴を履いて日々労働する農夫の生活、大地の匂い、ボロボロになった靴でさえ捨てようとしない愛着など、「古びた靴」の向こう側に潜む心理にこそ「真の芸術」が存在する。

・どんなに精緻なデッサンであれ、いかに見事な絵画や彫刻であったとしても、そこに「真理」を感じ取ることができなければ、それは芸術ではない。

・科学技術とは、プロセスをできるだけ少なくして、結果を大きく獲得しようとすること。





ハーバード、オックスフォード…世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方

ハーバード、オックスフォード…世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方

  • 作者: 福原 正大
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2013/10/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:福原正大
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