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『悲業伝』 [☆☆]

・子供に教えるべきは、「いじめられないためにはどうすればいいのか」という、予防策だ。

・犯罪は災害と一緒だ、起こってから対処しても、もう遅い。

・私が敵と思っている「あいつら」は。ただの「環境」でしかないんだ──暑いとか寒いとか、朝とか夜とか、その程度の問題でしかないんだ。

・人間は環境によって変化すると仮定するなら、社会という、作られた環境で育てられることは、己を失うことじゃないのかな? ただ漫然と、ぼんやり学校に通っていたら──きみはきみの特異性を失うことになるだろう。

・確かに、環境に迎合したほうが、生きやすいのは間違いない──けれども、現在の環境に適応することは、所詮は現状の適者にしかなりえず、つまりは環境の激変に耐えうる自身ではない。もしも、大きな天変地異が起こったとき──生き残るのは、彼らではなく、きみらだ。

・若い頃の私の夢は、墜落した飛行機の中で、たった一人だけ生き残ることだったよ。

・周囲の環境が根こそぎ作り替えられたときに、一人だけ生き残れたら、きっと快感だろうなあと思うのは、生物の性だと言える──それは究極の自己肯定だから。

・本人が幸せならそれでいい、という意見は非常に乱暴なそれだけれども、しかしだからと言って、本人が不幸で、救われないと思っているのが正しいわけでもあるまい。

・戦場における名将の資格とは、敵軍を殺すことよりも、自軍を死なせないことである。

・兵器の弱点はね、格好いい──ってことよ。

・殺し合いに強い男の子のほうが、遺伝子を残すには有利だったでしょうからね。殺しやすい道具、強力な道具ほど、格好良く見えるセンスを、私達は持っている──でも、そうなるとカムフラージュも必要になってくると思わない?

・技術を進歩させるには、見目形にこだわるよりも、いっそ遊び心で楽しんじゃったほうが、モチベーションは上がり、イノベーションへと繋がるからね。技術は、遊びにしちゃったほうが、よく育つ。人類にとっちゃあ、戦争も一種の遊びだしね。

・罪悪感が生じない、娯楽としての悪さから非行は始まる。

・衣装の布地部分を少なくすると言うのは、威厳を下げるためにはてっとりばやく効果的な手法だから。権力者ほど厚着をする──基本よね。

・大は小を兼ねる。処分される余りが出るが。

・善と偽善はまったく同じ行為であり、あなたの友がするものが前者で、あなたの敵がするものが後者だ。

・夢があるのなら、その夢を叶えたあとのことも考えるべきだったのだ。

・生き残りたい、生き続けたいと思いながら、生きて何をしたいのかを、考えるのをうっかり忘れていた。

・人は、時と場合によっては、自分が不当に損をすることよりも、他人が不当に得をすることのほうが、許せなかったりするものなのだ。





悲業伝 (講談社ノベルス)

悲業伝 (講談社ノベルス)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/07/03
  • メディア: 新書



タグ:西尾維新
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