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『黒猫の約束あるいは遡行未来』 [☆☆]

・限界に挑んだ芸術作品は、作者の企図を越えて真理の暗号と化す。ゆえに美学上の重要なイデーが含まれている。

・不可能を可能にするのは「発明」さ。そして、「発明」なんて誰かが必ずやってのけるものだ。

・芸術はそれ自体で一つの宇宙を為し、我々に鑑賞を要請する。だが、私が観たいのは常にその一歩先だったんだ。

・未来を解明するのは時代を変える行為です。

・恋人になってみたいとさえ思っていた。けれどそれは叶わない願いとわかっているからこそ抱ける、安全な「ないものねだり」なのかも知れない。

・大衆が感動するのはいつだって映画の「からだ」だよ。若くして親を亡くした主人公、恋人との別離、生き別れた兄弟との再会、それらの筋を効果的に見せてほしいと思っているんだ。あらすじという骨に演出という肉をつけた「からだ」が見られれば満足なのさ。

・誰もが「からだ」に目がくらんで「こころ」までは見ようとしない。それこそが現代芸術鑑賞の実状さ。

・「映像の不可能とは何ですか?」 「観客全員が自分の人生だと感じられる映画を作ることさ。それも、情動に訴えるような卑怯な手法を用いることなく、ね」

・自身の名で発表する目的は、名声以外にはない。

・計画は、約束があって初めて作られるものよ。それは誰かと誰かの約束かもしれないし、自分との約束かも。まだ言葉にしたことのない約束かも知れない。





黒猫の約束あるいは遡行未来

黒猫の約束あるいは遡行未来

  • 作者: 森 晶麿
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: 単行本



黒猫の約束あるいは遡行未来

黒猫の約束あるいは遡行未来

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: Kindle版



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