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『誉田哲也 All Works』 [☆☆]

・巡査は、公安委員会規則においては「司法巡査」と定義され、巡査部長以上の「司法警察員」とは明確に区別されている。具体的には逮捕状の請求や取り調べをする資格が、司法巡査にはない。

・個人的に、同じパターンで延々と続けられてしまう形式のフィクションが、あまり好きではないというのもあります。それは言い換えれば、結論のない物語ですから。

・ただ、ひとつ言えるのは、ショッキングでない死に意味はない、と考えています。死ぬなら死ぬ価値を高めたうえで、命を落とすことになるはず。

・残虐な犯罪と普通の日常は常に背中合わせなのだ。

・本編登場時には脇に留まる人物と思われたキャラが、視点の主を務めることで一気に血の通った主要キャラに昇華する。

・試合の中ではほんの一瞬で過ぎ去ってしまうようなシーンでも、原稿の中ではいかようにもクローズアップして引き伸ばすことができます。

・もちろん、それまでにも衝撃を受けたアーティストがいなかったわけではありません。でも、みんな自分より年上でしたから、頑張って追いつけばいいというメンタリティが働きました。

・ただし、それをそのまま描くのは、新聞記者やノンフィクション作家の仕事です。

・ミステリの場合、最終的にたどり着くべき真相やオチを幾重にも包んでしまえば、謎は深まります。要は、刑事が捜査(謎解き)の過程で一枚一枚はがしていく表皮を増やしてやる手法ですね。

・ひとつの作品を書き始めるためには、何らかのネタや情報だけでなく、それを通して訴えたいテーマとも出会わなければならないわけです。

・凄惨な無差別殺人を描いたところで、犯人が「相手は別に誰でもよかった」という感じなら何も生まれませんし、読者にとっても読む意味のない犯罪になってしまいます。言い換えれば、「なんでそんなことを!?」という疑問を解き明かすだけの価値がなければ、ミステリは成立しないと僕は思っているんです。

・先を行く者に教えられ、導かれるのは、若者の特権だ。そして彼らがなぜ若者を導けるかと言えば、自分の通ってきた経験があるからだろう。

・人の死の謎を解き明かすことよりも、誰かが生きていることに喜びを感じる自分に、老いを意識する。

・小説を執筆する際、情景描写のためにロケーション・ハンティングをするのなら、物語の中で動かす人物についても、アイデンティティー・ハンティングを怠るべきではない。





誉田哲也 All Works

誉田哲也 All Works

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2012/03/09
  • メディア: 単行本



タグ:誉田哲也
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