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『人はなぜ、同じ間違いをくり返すのか』 [☆☆]

・「間違い」とは、いくつかの選択肢があって自主的に選べる場合に、そこで「最適でないものを選ぶ」ことである。

・賭博に対する最善の姿勢は、参加しないことだ。

・まず必要とされるのは、「論理的に考えを進める」力よりも、現状の何が問題で、どれが最重要の問題なのかを見極める「判断力」でしょう。

・どうしてもわからないときだけ、最後はあきらめて「わかりません」と答えるのです。だから、わからないときに「即答」など、考えられませんでした。

・「答えがわからなければ考える」という私などが当然と思っていた習慣は、すでに消滅しかかっているように思えます。おかげで、「わかる」ということが体験できなくなっているのが現代という時代です。

・けっして勘が鋭いわけではなく、思い込みでぱっぱっと発言するだけ。10回に1回ほど大当たりをすると、周囲は外れたことを忘れて、「あの人は直感が鋭い」という誤った評価を与えてしまいます。そこで、本人も自分に能力があるのだと思い込んでしまうのもまたやっかいです。

・多くの人が「今度の戦争でだまされていた」というが、だまされること自体、大きな罪である。

・「だまされていた」といって平気でいられる国民なら、今後も何度でもだまされるだろう。

・算数や数学に強くなる秘訣というのは、こうした「具体性をまるで欠いている問題を、平気で考えられる鈍感さ」にあると言ってもよいかもしれません。

・私たちは、対象とするものの実体を理解していないのに、ただ名前を聞いただけで、わかったような錯覚に陥ってしまうのです。

・勉強をするのは、テストでいい点を取って「自信をつける」ためではありません。「考える力をつけ、社会に出てから初めて出会う問題にもきちんと取り組んで、解決できるようにする」のが標準的な目標でしょう。

・やさしい問題をいくら解いてもあまり役に立たないので、「難問」を解かないと本当の力はつきません。

・日本では数学にかぎらず、せっかく勉強に興味を持っても、受験に関係ないからやらないという考え方が主流になっているようです。今では受験生どころか大学生までそういう考え方に染まり、「これが就職してから役に立つんですか?」と聞いてくる学生もいます。

・特に理系の場合、後で役に立つのは「すぐに古くなってしまう知識」ではなく、「基礎理論がわかっている」ことなのです。

・以前のスポーツ界の「根性が足りない! 死ぬ気で走れ」は、今の受験業界の「根性が足りない! 死ぬ気で覚えろ」に似ていますし、「がんばればきっと勝つ!」は「がんばればきっと大学に合格する!」に、そのまま置き換えることができます。

・これから重要になるのは、インターネットやコンピュータではできないことです。それは、「考える」ことであり、「本質を理解する」ことなのです。

・たまたま70点とれたのか、それとも最初から70点を目指していたのか、あるいは100点をとろうと思ったら30点間違えてしまったのか──同じ70点でも、意味が違うわけです。

・最近では、子供の間違いを叱る人が少なくなってきました。その結果、大きくなっても、「善いこと・悪いこと」でなく「好きなこと・嫌いなこと」しか考えない人が増えているような気がしてなりません。

・重要なのは、「落ち込む」ことと「反省する」ことは違う、ということです。とくに、若くて打たれ弱い人は、この2つを混同しがちですので注意しなくてはなりません。

・「落ち込む」というのは単なる感情の起伏です。それに対して、「反省する」のは理性的な行動です。

・「犯人探し・責任のなすり合い」は、間違いが自分の責任でないことを示すために、どうしてもやりたくなってしまうものです。しかし、これによって反省がうやむやになり、間違いを再び起こす恐れを高めてしまいます。





人はなぜ、同じ間違いをくり返すのか (知と学びのシリーズ)

人はなぜ、同じ間違いをくり返すのか (知と学びのシリーズ)

  • 作者: 野崎 昭弘
  • 出版社/メーカー: ブックマン社
  • 発売日: 2014/06/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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