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『野垂れ死にの覚悟』 [☆☆]

・百歳以上の日本人がついに五万人を超えましたけど、その方たちは、ほとんど医療を受けていない世代です。

・つまり、衛生状態と栄養状態がどんどん良くなったために、平均寿命がぐんぐん伸びた。医療はみんなが思うほど貢献してない。

・年をとると血管が硬くなるから、必要があって体が血圧を高くしているのに、わざわざ病気だと言って下げるんだから。すると血が頭にいかないから、ボケや脳梗塞にかかりやすくなる。

・指揮官、ないしは目立つところにいる人間は、異常事態であわててはいけない、ということを、習ったことがあるんです。それは任務なんですね。目立つところにいる人の。

・昔の人は朝から晩までいろんな家事をして、寝るのも遅かった。そうやって働きづめで手足を動かし続けてきた人が、今長生きしています。

・団塊の世代以降、がくんと人口が減っていく。老人の数も減っていきます。それで政府や関係者が何を考えているかっていうt、今介護事業にお金を費やして箱モノを作って人を雇っちゃうと、団塊の老人がいなくなった後、入る人がいなくなる。だから、今盛んに在宅誘導をしているわけです。

・これから一番大変なのは、「年寄りをどう始末するか」っていう問題ですね。どうしたら穏やかに、比較的幸福に、不当に長生きをしないようにするか。

・日本の介護職の人がヨーロッパに研修に行って、食べたがらない病人の口にスプーンで流し込もうとすると、「虐待だ」って怒られたという話があります。

・老人は体が弱っても病院に行かず、食べられなくなったら無理に食べず、そのまま家で枯れるように老衰死。これ、実は一番快適に天寿を全うする方法なんです。

・老人ホームって何度か訪ねたことがあるけど、生気ってものがないですよね。お遊戯も「させられてる」だけで、楽しいことがないんだろうな。

・人間「やることがある」って、幸せなことですよね。今日一日何して過ごそうかと毎朝思う高齢者がいるそうですけど、それはたぶんかなり不幸なことでしょうね。

・年をとるほど「きょうよう、きょういく」が大事だって、誰かが言ってました。教養と教育じゃなくて「今日用がある。今日行くところがある」ことが。

・一般に日本の内科医は、患者の全体像を見ないで、症状ごとにセキ止め、解熱剤、炎症止め、胃薬……って、どんどん出します。一人の患者に平気で10種類以上の薬を出したり。これは欧米ではありえません。海外では、一度に三種類以上の薬を飲むと、体内でどんな化学変化が起きるか予測がつかないから、非常に危険とされています。

・老人問題は経済問題、人での問題でもありますよね。先進国はもう人口が減っているから、お金だけあっても人手を当てにできませんでしょうね。

・ヨーロッパの、特に北欧には「食べられなくなったらおしまい」という文化があって、だから寝たきりの患者はいないと。

・それまでずっと「死にたい」と思ってましたのに、ふっと気づいたら、ご飯をいつ食べられるかっていうことだけ考えていたんです。ああ、私の自殺願望って嘘なんだなぁと思って。だからね、うつ病患者には、何も食べさせないのがいいと思います。

・80歳とか90歳になって、癌になったって慌てる人がすごく多いから、本当に「死にたくない願望」が強いんだなあと痛感します。

・環境が清潔になって、ワクチンを生後すぐからあれこれ打って、それでアレルギーが増えている面があると思います。

・点滴を毎日2、3本やると、水分過剰で痰が出てきて苦しくなるから、気管切開されてしまう。

・当時は末期がんの患者でも、救命救急措置をするわけです。馬乗りになったりして、無意味なことを、儀式みたいに。

・薬って、新しい薬を認可してもらうためには、以前出た薬よりも効かないといけない。効くということは、副作用も強くなるんです。だから、だんだん危ない薬が増えていく。

・1970年代から80年代、老人が増えた時に、入院させて点滴漬けにする。すると肺に水が溜まって呼吸困難で死ぬっていう。もうベルトコンベヤー式に死なせていた時代があった。

・尊敬してない者から、いいインパクトは与えられないと思います。

・元と辿れば医者をダーッと増やしたから、その食い扶持を確保するために、患者を増やさなくちゃいけない。そのためには人間ドックや検診を奨励して、それで病気・病名をつけてっていう構図。

・高血圧の検査値なんかも、根拠はないのにわざと切り下げて、昔は160以上で高血圧だったものが今は140とか、あるいは140未満でも高血圧にしてる。すると患者数が何倍かになるから。

・そもそも子宮頸がんワクチンだって、そういう名前をつけているのは日本だけですよ。あれはヒトパピローマワクチンと言って、ヒトパピローマの感染症は予防できるけど、子宮頸がんを救ったとか、ひとりでも死ぬ数を減らしたとかはまったく証明されてないんです。遠い将来に、子宮頸がんの患者が出るのを予防できるんじゃないかって、かなり推測に基づいているんです。





野垂れ死にの覚悟

野垂れ死にの覚悟

  • 作者: 曽野 綾子
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2014/05/24
  • メディア: 単行本



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