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『レベル98少女の傾向と対策』 [☆☆]

・何せこの国は長らく鎖国して独自の文化を育んでおりましたので、明治になって突然入ってきた西洋の考え方を、ざっくり抄訳して何となくわかった気になっているだけで全然すれ違っていることがとても多いのです。

・日本では神の血を引いておらずとも人間でも狸でも妖物でも無機物でも概念でも、正しい形式をもって社に祀られていれば「カミ」になれます。

・昨今、動画をアップロードするだけで神扱いですからぽっと出の神に優しい世の中ですね。

・二十人に十人分の弁当が配られ、それ以外に食うものがないとしましょう。二、三日のことならば二人ずつで分け合って和やかにしていられますが、二か月も三か月も続けば全員がやせ細るより、互いに争ってでも飢える十人を決めてしまおうと思い始めまする。

・医学が進歩した現代であっても狂犬病は発症すれば必ず死ぬ不治の病ですぞ。

・女子中学生がぐだぐだ愚痴こぼしたいだけなのにいちいち理屈こねて反論してんじゃねえよジジイ、中学生の逃げ道を塞ぐなジジイ!

・弁が立つから深い人生訓みたいに聞こえるだけで実は場当たり的に喋っている。

・そんな馬鹿の尻拭いをする方もする方だ。そうまでして善人ぶりたいか。

・いるんですよねぇ、かわいそうだからお情けで社に祀ってあげただけなのに、偉くなったと勘違いして図に乗っちゃうのがぁ。

・仔猫、かわいい仔猫。それだけでインターネットでは大人気だ。――くだらない。こいつらは保健所にいくらでもいる。殺されるために。それが事実だ。かわいいなんて思っても一瞬だけだ。

・人間として産まれただけで尊重してもらえるのはありがたいな。

・会話は弾むのに、何だか意思疎通がうまくいっていない。

・妖怪といえども限りある日本の資源だ、無闇と乱獲していいものではない。

・眠くもない者を無理やり眠らせるのは難しいが、無理矢理起こすのはたやすいからな。

・この時間に救急車呼んでも、出てくるのは非常勤のバイトだからぼくと大差ない。

・女子供は犯罪をしないなんてぼくは思わない! 女子供だって悪いことは考えるし、男に頼まれて盗撮カメラを仕掛けたりもする!

・霊媒、憑巫、依童、尸童。いろいろと呼び名はあるが女子供にオバケを取り憑かせるのには理由がある。暴れたとき、取り押さえやすいようにだ。

・やりがい搾取に比べたら金目当ての方がいくらかマシだよ。

・他人を助けたいと思うのは、大抵自分の問題がうまくいってないときさ。現実逃避だよ。

・差別だとか社会問題だとか言って大きな集会を企画する人に限って、夫婦仲がよくなかったり子供がグレてたりするんだ。

・東京から鈍行列車で一時間の首都圏に原子力空母が居座っとるのに、たかが輸送ヘリが何だと言うんじゃ。そんな羽虫のごときもの、いくらでも飛ばしておけ。

・敵国を占領支配して何が得かというと、敵の作った施設をそのまんま奪って丸儲けできる。戦争とはそういうもんじゃ。人間だけ殺してハコは壊さぬのが最良の作戦よ。

・五十回忌を過ぎたら嫌でもどうにかなってもらうのが八島での掟。過去のものには消えてもらわなければ呪詛と怨念でこの国の全てが滞ってしまう。





レベル98少女の傾向と対策 (講談社ノベルス)

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  • 作者: 汀 こるもの
  • 出版社/メーカー: 講談社
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