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『本題 西尾維新対談集』 [☆☆]

・作っている時の僕の理想は「なければいけないものが生まれる」ということなんですね。あってもなくてもいいものを出したって、しょうがないでしょ?

・設定したお題を解けないってことは、実はないですから、その前にいいお題を生み出せるかどうかがポイントなんです。

・僕は作品を考える際は「自分は完成したあと、どんなほめられ方をしたいのか?」をいつも気にするようにしています。それによって、自分が何を作品の魅力と捉えているのかが見えてきますので。

・「枷」を作って、その中で自分の能力を最大限出していくという創作をどんどん繰り返していれば、スキルがこれからどんどん上がっていくでしょう。

・「スプーン曲げで曲げる対象がスプーンであること」には理由があるとわかるようになったんです。われわれはスプーンの硬さを知っているから、そこではじめて不思議さや面白さが生まれるわけです。つまり、使われている道具をお客さんが「はじめから知っている」ということに意味がある。

・キャラクターって、知り合いとして存在するものじゃないですか。それが面白いんですよね。

・「この手があったか」というほめられ方ってうれしいですよね。

・おいしいパン屋さんがありました。あなたはそのパン屋さんのファンになりました。毎日、そのパンを買っています。……だからと言って、パン屋さんの閉店時間を狙って、裏口に行ってそのパン屋さんの職人が出てくる時の写真を撮りますか? 撮らないでしょう?

・新しい言葉を覚えたら、途端にいろんなところでその言葉を目にする機会が増えるようになるという感覚がすごく好きでした。

・欲望に貴賤をつけない。

・漫画はフキダシのスペースが限られているので、ともするとあいさつとかのような情報ではない要素は省略されがちだったりするもんなんですけど、そこをちゃんと描いているからこそ、荒川作品ではキャラクターが生きているんだなと感じたんです。

・僕はいつか書いてみたいと思っているんです、「長編の最終回だけ」が集まっているという短篇集を。

・私はいつも何かびっくりするようなことを言われるとそこで黙っちゃうんです。そこで会話が終わっちゃうんですけど、びっくりしたらそこでもう一度訊き返せばいいんだなと、ここで現実的にわかったような気がしました。

・人と話している時には、たとえば「悲しい」にしても理由は百個ぐらいあるかもしれないのに、「何で悲しいの?」って訊かれたら一個しか言えないところがありますよね。

・衝突を恐れない人は、強いですね。

・女の人でもすごい上司になるほど仕事を人に振るのもうまい。これはこの子に合うからまかせる、と仕事を思い切って人にどーんと投げるんです。そうすると、大きな仕事もできるのだなとは感じてきた。

・海賊の船長が「海賊に一番必要なのは、他の誰よりも一時間長持ちする勇気だ」って言う場面があって、何だかものごとをやり抜くこともそれに近いような気がしていたんです。

・それでもどう考えても、学校帰りにわいわい仲間と盛り上がりながら電車に乗っている高校生の方が、今の僕よりも楽しそうなんですよ。

・ひとつのQRコードにできるのは300文字が限度。

・編集者から、そもそも投身自殺とは、水の中に飛び込むことなんですよ、と指摘されました。

・良い人の良い人ぶりに迷惑をこうむっている人だっている。

・悪だったら悪のまま、けれどその人物の美意識の中での良いこと、正しいことを判断することもあるでしょう。

・書き言葉にした段階で、それはもう虚構の領域に入ってしまう。

・「飾らない言葉で返信が来た」とこちらが思ったその文面を、相手の方は「飾らない言葉で送ろう」という気持ちで飾りながら書いたのかもしれない。

・学生たちも、ふだんは友人たちとメールやそれに代わる電子文字でやりとりをしていますから、隣に座っていても互いの筆跡を知らないことが少ないんです。文字を知らないから、手書きの年賀状が来たりすると違和感を覚えたりする。

・実体験を語ろうとしても、書くという行為が間に挟まった瞬間、虚構になる。

・手書きの方が目の記憶に合うんです。画像が脳裏に残る。目の記憶はとても重要で、ある言葉は原稿用紙の左上のあたりで使ったとか、右下に追加したとか、そういう記憶が目と手に残る。パソコンを使っている時よりも、それが鮮明です。

・毎日書くとは、ピアニストが基礎をさらったり画家がデッサンしたりするのと同じ、物書きの基本ですよね。

・笑いは、小さな差異がないと発生しないものだから、どちらかを褒めたり貶めたりしなければならない。





西尾維新対談集 本題

西尾維新対談集 本題

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/09/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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