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『情報貧国ニッポン 課題と提言』 [☆☆]

・「調べものの大衆化」というのが、グーグルのもたらした大きな社会変化であったと言えましょう。

・短い文章で用が足りるということは、情報流通の「生産性」が上がったとみることもできるかもしれません。

・日本人は、何か揉め事があって、その後仲直りしたい時、よく「済んだことは水に流しましょう」と言ってその場を納めます。これは、全く感覚的な議論ですが、過去に問題があると、それを無視しようとしたり、場合によっては改ざんしようとしたりするというのが、日本人によく見られる行動パターンのように思えてなりません。

・過去を水に流すのが好きな日本人は、過去を問題にするアジアの人々と、そもそも波長が合わないのかも知れません。

・『論語』の子張第十九に「小人の過つや、必ず文る」とあります。文るは、「かざる」と読み、「飾ってごまかそうととする」「言い訳を考える」の意だそうです。

・注意しなければならないのは、日誌のようなものには、「行動」を記すことはあっても、「思考」や「思考経路」を示すことは少ないということです。

・あなたも、是非、自分の思考過程をメモに残してください。きっと、後になって役に立つでしょう。

・記録の作成は、人間でなければできない仕事の一つとして残るでしょう。

・科学技術に絶対の無謬性を求めることが、いかに間違っているかは、今回の福島県の原子力発電所の事故で、私たちがいやというほど、感じさせられたところです。

・日本人は、全体を構想するよりも、細部の彫琢にこだわるのではないでしょうか。

・たとえば自動車を例にとると、そこまでに至る思考過程、つまり、どうしてボディをこのような形にしたのかとか、窓ガラスの角度はなぜそのようにしたのか、などの理由づけ、設計コンセプトは明確には文章化されていないケースも多いと聞きます。こうした点が分からないと、結局、製品の改良や新製品の開発に支障をきたすことになりましょう。

・日本の組織は、データベースや記録が無い方が都合の良い統治機構を持っているのかもしれません。データベースや記録が普及しない国家や社会というのは、結局、過去を直視しない国家や社会だと言えます。

・情報リテラシーとは、「情報、時間、お金を経営資源と見たとき、最小の時間と費用で、情報を最大限うまく活用して、人間生活の各側面(日常生活、学習、研究、ビジネス……)において最大の成果を得るようにするためのスキル、能力」と考えるべきでしょう。

・他人に見せるつもりでメモを書く。「将来の自分」は他人なのだ。

・多くの精神は、まず制限を感じた時に初めて自由に動きだす。

・研究は、多くの人で行うリレーや駅伝競走のようなものです。山中教授は、まさにこの意味で、当該学問領域で、見事に「区間賞」をとったのです。

・本当に言語をものにするには、その言葉を使って考えたり、表現したりしなければならない気がします。教室だけでなく、日常生活の場面において、英語を使うようにならなければ、なかなか、真の意味での英語力は向上しないように思われます。




情報貧国ニッポン: 課題と提言 (図書館サポートフォーラムシリーズ)

情報貧国ニッポン: 課題と提言 (図書館サポートフォーラムシリーズ)

  • 作者: 山崎 久道
  • 出版社/メーカー: 日外アソシエーツ
  • 発売日: 2015/05/22
  • メディア: 単行本



タグ:山崎久道
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