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『重火器の科学』 [☆☆]

・現代の陸戦では、死傷者の4分の3は砲爆弾によって生じており、重火器を使った戦闘に勝利できれば、もう小火器を使う戦闘を行う前に勝敗はほぼ決していると言っても過言ではありません。

・ロケット弾は数百年も昔から戦争で使われていましたが、「命中精度が低い」「弾がかさばって、たくさん運ぶのが大変」ということから、本格的には使われませんでした。

・大砲は1分間に3~4発しか発射できませんが、40連のロケット弾は発射するのに20秒しかかかりません。命中精度が悪いといっても「1km四方に1万発撃ち込む」というような面制圧には効果的です。

・米国をはじめ、中国、ロシア、北朝鮮、韓国もクラスター爆弾禁止条約には調印していないので、日本だけが自らの手足を縛って、防衛力を低下させる結果になっているのです。

・普通の塗料で迷彩塗装したものは、赤外線カメラで見られると本物の樹木と赤外線の反射率が違うので、バレてしまいます。

・昔、電信が発明されたばかりのころ、通信は工兵隊の仕事でした。航空隊も、最初は工兵隊の中に作られました。このように、軍を近代化していく道を開くということでも、工兵隊はエンジニアでありパイオニアでした。

・地雷というものは、正確に測量して、後で処理しやすいように計画的に敷設するものです。地雷によって一般住民に死傷者が出ているというのは、文字の読めない兵隊が多いような、測量などを行う能力もない軍隊のいる国なのです。

・C爆弾は、このワックスなどの可塑剤の改良で、C2、C3、C4と進化していきました。

・破壊することは歩兵の役目ではなく、占領して支配することが歩兵の役目です。

・火薬類と呼ばれるために必要な特徴は、爆発するために空気中の酸素を必要としないことです。

・セルロイドというのは、ニトロセルロース、つまり銃弾や砲弾を発射する無煙火薬と同じものです。そのため、火をつけると勢いよく燃えました。

・爆轟というのは、火が燃え伝わるという感じではなく、爆薬の塊の中を、数千m/秒の衝撃波が伝わり、その衝撃によって爆薬の分子構造がゆさぶられて分解している感じです。





重火器の科学 戦場を制する火砲の秘密に迫る (サイエンス・アイ新書)

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  • 作者: かの よしのり
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2014/07/16
  • メディア: 新書



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