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『問題解決ラボ』 [☆☆]

・「誰も見たことがないもの」は、「誰も求めていないもの」と紙一重。理想は「本来はそこにあるはずなのに、なぜかない」ものを「補充する」くらいの感覚です。

・脳はまず情報を(1)「認識」し、その中から(2)「理解」できた情報を(3)「判断・思考」し、自分にとって有意義と思われる情報だけを(4)「記憶」するそうです。

・デザインをするうえで問題なのが、斬新すぎてユーザーが(2)理解できないこと。これではデザインを(3)判断する前に脳内で脱落してしまいます。そうならないためにはユーザーの(4)記憶を意識することが大切です。どこかで見た、感じたことがあるもの。そういうデザインが脳には優しいのです。

・何事もできるかできないかは別にして、「とりあえずやってみる」ようにしています。新しい発見が必ずあるからです。

・センスというのはすごくレベルが高い話。世界のトップ10が戦っているときに、「これはもうセンスだな」と感じるときはたしかにあります。しかし、それ以外の場面においては、すべて努力でカバーできる話じゃないかという気がします。つまり、投入した時間の量で解決できるのではないかと。

・人間の目には、一点を凝視することで形や色を正確に捉え、それ以外の情報を見落とす「中心視」と、網膜の周辺部を使って瞬時に動きや全体像を把握する「周辺視」という2つの認識方法があるそうです。

・白いイスをさらに白くするために、表面の汚れを拭き取ったり、より白いペンキを探したりするのにも限界があります。そんなときは、「イスが置かれた部屋を黒く塗ればよい」のです。

・ものごとをグレーに見るとはどういうことかというと、「ものごとを全否定しない、全肯定もしない」ということだと思うんです。白黒をはっきりつけないことによって、いいとこ取りができるみたいな思考法です。

・デザイナーは誰かが見たことがあるものを作るわけでも、誰も見たことがないものを作るわけでもなく、誰もが見たことがあるようで誰も見たことがないものを作ろうとしています。

・日本企業が差別化が苦手なのには理由があると思います。それは、ものごとの対比でしか評価しない、すなわち相対評価でしか判断しない、という点です。しかしそれでは、人と大きく違うことをするのは難しい。

・高校野球で負けて泣かない選手は大成する気がします。自身のキャリアプランを描き、現状の能力や成長速度と照らし合わせたうえで、高校3年の夏は自分のピークではなく1つの通過点と捉えているのかもしれません。

・サッカーはチームワークを競うのではなく、1点でも多くのゴールを決めることが最終目的。チームの和やプロセスを重視しすぎるあまり本来の目的を見失うことは、モノづくりの現場でもよく見られることです。

・「万引きを しない勇気と させない社会」というポスターをたまに見かけますが、違和感を覚えるのは自分だけでしょうか。よっぽど万引きを「する」ほうが勇気がいるんじゃないか。

・最先端技術を駆使したデザインが「高級食材をキッチリと調理する」三ツ星レストランのコース料理なら、既存技術を転用するデザインは「冷蔵庫を開けてみて、残っている食材を素に献立を考える」主婦の料理。

・伝わらないメッセージは「独り言」みたいなもんです。

・デザインとは、単に何かをカッコよくすることが目的ではありません。人に対して何かを「伝える」ための手段です。

・難しいことをわかりやすく。論理的なことを直感的に。見えないものを見えるように。それがデザインの本質です。

・「日本の危機」を訴求している政党のポスターが「美しい富士山の写真」を大きくあしらっているけど、これでは右脳が危機感をまったく感じません。

・子供でも転がして移動できる車輪型のポリタンク。

・スーパーで売っている野菜しかり、そこらを散歩している犬しかり、いずれも品種改良を重ねた、つまり人の都合によって「デザイン」されたもの。

・これだけ家具デザインが欧州で栄えたのは、客人を自宅でもてなす文化に起因します。




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