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『マシュマロ・テスト 成功する子・しない子』 [☆☆]

・意志薄弱のことを「アクラシア」と呼んだ古代ギリシアの哲学者たち。

・自制心は、満足のいく人生を築くのに絶対必要なEQ(情動的知能)の根底にある「万能能力」だ。

・私たちは悲しいときや落ち込んでいるときのほうが、欲求充足を先延ばしにする可能性が高いのだ。

・前頭前皮質は、脳の中でも一番進化した領域だ。私たちをはっきり人間たらしめている、最も高次の認知的働きを可能にし、維持している。

・誘惑に対処するときに、「ホットシステムから一時的に逃れるには、他の人ならどう行動するだろうか」と想像するというのも一つの手だ。自分自身ではなく他人のためにホットな選択をするときのほうが、クールシステムを使うのが楽だからだ。

・あまりに多くの人が幼年時代から、信頼できない、当てにならない世界で生きている。そういう世界では、より大きな報酬を先延ばしにした形で約束されても、その約束はけっして守られない。

・人は、先延ばしにした報酬がもらえるとは思っていないとき、合理的に行動し、その報酬を待たないことが立証されているのだ。

・ホットな「今すぐ」vsクールな「あとで」

・私たちが何者で、何者になるかは、途方もなく複雑なプロセスの中で遺伝子の影響と環境の影響の両方が行なう相互作用の表われなのだ。

・「どれだけ?」という問いは、もういい加減、お蔵入りさせるべきだろう。なぜなら、単純に答えられないからだ。それは、長方形の大きさを決めているのは縦の辺の長さと横の辺の長さのどちらかと問うようなものだ。

・人に礼儀正しく接すれば、相手も礼儀正しく接してくれます。実社会では、必ずとは言えませんが、たいていはそれでうまくいきます。

・祖母は誰にでも言っていたものだ。人生でずば抜けた成功を収めるためにの秘訣は、「根気」、つまり、腰を据えて、物事をやり遂げるのに必要な途方もない努力を傾けることだ、と。

・多くの人の場合、将来の自分を想像したときに活性化した脳のパターンは、自分ではなく赤の他人について考えたときのパターンに近かった。

・それらの人々の大半は、乳癌と卵巣癌になる危険を見極める遺伝子検査を受けたがっていた。とはいえ、そのほとんどが、自分の遺伝的傾向を知ったらどんな影響があるかを理解していなかった。

・参加者がいつもの自己没頭型の視点から自分の気持ちを分析すると、まるで追体験しているかのように、具体的な詳細を一つひとつ語り、自分が感じたネガティブな情動を追体験した。これとは対照的に、壁に止まったハエになったつもりで、距離を置いた視点から自分の気持ちやその理由を分析すると、問題の出来事をただ詳しく再現して苦悩を再び呼び起こすのではなく、再評価を始めた。その出来事を、より思慮深く、それほど情動的ではないかたちで眺めはじめたので、つらい過去をうまく再解釈したり説明したりし、終止符を打つことができたのだ。

・「なぜそんなふうに感じたのか?」という同じ質問を投げかけても、「自己没頭」しているときには痛みが蘇るが、傍観者であるかのように自分から遠ざかっているときには痛みが「冷却」され、より柔軟な説明が得られる。

・拒絶される体験を私たちが身体的な苦痛のように語るとき、それはただのメタファーではなかった。傷ついた心や情動的な苦痛は、本当に身体的な形で痛いのだ。

・「アスピリンを2錠呑んで、朝になったら電話してください」というのは、胸が張り裂けるような悲しみを味わったばかりの友人から深夜に寄せられた訴えに対してはつれない回答だろうが、研究にしっかり根ざしたものではあるのだ。

・鎮痛薬を服用していた人たちの報告では、日々の傷ついた気持ちが、平均すると9日目から、実験最終日の21日目まで、大幅に減った。偽薬を服用していた人々には変化はなかった。

・「高RS(拒絶感受性)」の人は、緊密な関係にある相手から拒絶されるのを極端に気にかけ、自分が「見捨てられる」のではないかと心配し、自らの行動を通して、自分が恐れているまさにその拒絶を誘うことがよくある。

・ミドルスクールでは、高RSの子供のほうが同輩たちから不当な扱いを受けたりいじめられたりしやすく、彼らは強い孤独感を抱いている。

・自分のホットシステムの引き金(もし彼女が新聞を読んだら)や、内面的キュー(もし怒りを感じ始めたら)を、自制戦略(そのときには深呼吸して、100から0まで逆に数を数えていく)と結びつける「イフ・ゼン」実行プランを立てて練習すれば、そうした戦略は努力しなくても自動的に実行に移せるようになる。

・あらゆるスキルに言えるように、自制スキルも、私たちにそれを使う意欲があるときにだけ使われる。

・現代の堕ちたヒーローたちは、自分の転落を報じた新聞の灰の中からしばしば不死鳥のように蘇り、テレビ番組の司会をしたり、ニュースやインタビューの番組を運営したり、報酬のよいコンサルタントになったりする。

・意志の力は無尽蔵であるという考え方を暗黙のうちに持っている学生たちは、限られた資源であると思っている人よりも、ストレスの多い試験期間をはるかにうまくこなした。

・マークのような人々にとって、懸垂で100回目に到達すれば、それはレベルを上げて次の30回を目標にする合図となった。自己最高記録を破ることが、動く標的、つまり常に超えようとする自己基準になった。疲労を感じてやめにする合図にはならなかったのだ。

・<セサミストリート>をよく見る子供ほど首尾良くやっていくが、それは番組が教える内容のおかげなのか、教育番組に頻繁にチャンネルを合わせるような親を持っているおかげなのかは、定かではない。だがおそらく両方の要素のおかげで、これらの番組が有益なものとなっている可能性が一番高い。

・サイコセラピストがいつも患者に言うように、「絶対に」変わりたいと思わなければ話にならないのだ。

・おじは、大きくなったら何になりたい? としつこく訊く。絶対におじさんみたいになりたいという答えを期待していたのだろう。私にしてみれば、おかげで自分がこれだけにはなりたくないものがわかり、それなら何になりたいのかと考え始めた。



マシュマロ・テスト:成功する子・しない子

マシュマロ・テスト:成功する子・しない子

  • 作者: ウォルター・ ミシェル
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2015/05/22
  • メディア: 単行本



マシュマロ・テスト 成功する子、しない子 (早川書房)

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  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2015/05/25
  • メディア: Kindle版



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