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『フレーミング 「自分の経済学」で幸福を切りとる』 [☆☆]

・iPodの音質は、従来の大半のステレオシステムより劣るか、せいぜいそれと同等くらいである。つまり、iPodとは心が音楽を管理・整理する方法を再編するものであって、音質は二の次なのだ。

・自閉症者は知覚器の感度を「最強」か「最弱」のどちらかに設定していて、その間のごく普通の範囲に調節できない。

・アクセスが簡単であれば、われわれは短く、快く、小さいものを好み、アクセスが困難であれば、大規模な制作物や派手なもの、傑作などを求める傾向がある。

・ドイツのハルバーシュタットという町では、特別に作られたオルガンで世界最長のコンサートが上演されており、曲が終わるまで639年かかることになっている。

・ウェブ上では情報過多になっているのではなく、フィルターの不具合が起きているだけなのだ。

・現代の文化的教養とは、ルーベンスの絵画に描かれたシンボルをすべて「読み解く」ことができるかどうかではなく、iPhoneなどのウェブ関連の技術を使いこなせるかどうかなのだ。iPhoneをうまく使えば、ルーベンスに関するウェブサイトにもアクセスできる。

・Eメールに比べれば、IMの書き込みはさらに短く、一種のブロークンな言葉が使われ、記号や感情を表すエモーティコンが多用され、会話欄にははるかに多くの考えや気持ちが書き込まれる。

・あるIMの研究によると、メッセージ全体の22パーセントは1語かそれより短いもの、たとえば「見る(see)」のかわりに「C」と表すなどの書き込みだったという。

・いつも簡易ブログを書いていれば、自分のしていることについてより思索的にならざるを得ない。今日あった小さな出来事のうち、自分は「どれを」書きたいのだろうか。それはどう表現すべきなのか。

・人々が現実をどれだけ楽しんでいるか、また「どのように」楽しんでいるかは、頭の中で現実をどう整理しているかによる。

・周囲が自分をロックバンドのレディオヘッドの大ファンだと思うほど、いっそうこのバンドを好きになるのだ。

・グーグルゲンガーは、グーグルで検索すると出てくる、自分とまったく同じ名前の人物である。

・いまや医学文献上では周知のことだが、薬の比較対象は、何もしないことではなく、プラシーボ(偽薬)でなければならない。プラシーボ効果はきわめて強力な場合もあり、効果があるはずの薬の多くは、実は効果の面でプラシーボを上回っていない。

・優れた空想物語の大半は、どんな種類の魔法的な変化が可能か、ユニコーンを捕えるために何をしなければならないか、魔法の力にどんな限界が設定されているかなどを詳しく語っている。読者は、そうしたルールにブレがない限り、およそどんな非現実性も許容できる。

・フォーカル・ポイントとは、「誰もが、前もってそれについて話したり計画したりすることなしに、そこに向けて調整できる何か」を指す。たとえば、会社の重役会の会合でプレゼンするように上司に言われた場合、誰に言われなくても、ネクタイをしていくことは「フォーカル・ポイント」である。

・人は学習すれば、他者の認知力や美的感覚を尊重できるようになるが、まずは尊重すべきものがあることを認識しなければならない。

・「絶対音感」を持つとされた人々のうち、「社会的に常軌を逸している」と評価された人は46パーセントだったが、対照群では15パーセントにすぎなかったという。

・わたしは、無調音楽の多くを、神経多様性を持つ人々のための音楽だと考えている。

・無調音楽の構成の理解や鑑賞のためには、パターン認識の特殊な能力が必要になる。

・人は、実際よりも頻繁に、自分を善人だと思いがちである。自分が問題の解決法ではなく、問題の一部である場合もあることを理解していない。

・自閉症者は概して、口頭での会話よりも、活字を介した論考のほうが得意である。

・人々が整然と行列を作って待つことをしなかったり、車の運転者が車線を守らなかったりする国では、たいてい経済や政治に深刻な問題がある。

・違いが災いの元ではなく惠になるのは、交換によってである。



フレーミング「自分の経済学」で幸福を切りとる

フレーミング「自分の経済学」で幸福を切りとる

  • 作者: タイラー・コーエン
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2011/07/21
  • メディア: 単行本



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