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『東京大学第二工学部』 [☆☆]

・ソ連のやり方をそのまま輸入するのではなく日本流にアレンジした。すべてを国が管理するのではなく、重要産業部門に国家の統制を加えて無統制な資本主義経済の弊害を排除することを、目指したのである。この手法は、ソ連流の「計画経済」に対して「統制経済」と呼ばれることになる。

・八八艦隊とは艦齢が8年未満の戦艦8隻と巡洋戦艦隻を指す。

・既存の工学部教官である割合は第一工学部が80%以上、これに対し第二工学部は40%程度でしかない。やはり、「本郷を離れたくない」という教官が多かったと思わざるを得ない。

・土木学科の場合、本郷にいた教授陣はひとりとして第二工学部の教授になっていない。本郷の土木工学科教授はよほど第二工学部に行きたくなかったのだろう。

・造兵学を研究し講義する大学は、世界で日本とドイツにしか存在しなかった。

・防空に関する講義があり、焼夷弾や爆弾の構造や、不発弾の処理方法を教わった。千葉市に焼夷弾が落とされたときはその処理にあたった。処理をしたお礼にお米などが貰えるし、処理した焼夷弾から抜き取った油脂は実に良い燃料で、空缶一杯で風呂を沸かすことができた。

・飛行機からの爆弾は最初航空出「キリキリ」という音を立てる。これがしばらく続いて地面に落下すると、水平から斜め上方に向けて爆発する。そのため、この「キリキリ」という音が鳴っている間に、どこか窪みに潜り込めば命が助かる可能性は高い。立ったままだと吹き飛ばされてアウトだ。

・東大では、夏目漱石や著名人物の脳を約50体保存していた。

・古河財閥傘下の古河電気工業が、ドイツのシーメンスと提携して、1923年に設立した富士電機製造株式会社(現・富士電機)に端を発する。古河の「ふ」とジーメンスの「じ」で「富士」というわけだ。

・君等は蝉のようにジーイージーイーというが、GEがなければ製品は作れないのか。

・原発に反対する人でも、ロケット打ち上げには手放しで喜ぶのではないでしょうか。



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