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『権力の終焉』 [☆☆]

・今日、私たちは自国のために何ができるか、ということよりも、国や雇用主、ファストフードの提供者、お気に入りの航空会社が自分のために何ができるか、ということを求めている。

・権力とは、他の集団や個人の現在または将来の行動を、命令したり阻んだりすることである。

・権力とは私たちが他人に行使し、それがなければしなかったはずの行動をさせるものだ。

・権力には社会的役割があるということだ。その役割は、単に支配を行き届かせたり、勝者と敗者を生み出すことではない。この力は、コミュニティ、社会、市場、そして世界をも形作っているのである。

・人間は本質的に対立的で競争心を持つ生きものということになる。そのような人間が、それを妨げたり命令したりする権力が存在しない状態に置かれたら、戦いの目的が何もなくなるまで戦い続けるだろう。

・みなに畏敬の念を抱かせる共通の権力が存在しない間、人間は戦争と呼ばれる状態にある。

・人がそれに従うのは、従わなければもっと悪い結果が待っているからにほかならない。

・影響力は、状況ではなく、状況に対する「認識」を変えようとするものだ。具体的に言えば、家の売買契約を成立させようとして、取引の価値に対する購入者の認識を変えるためにその地区の美点を褒めそやすことは、売家の価格を下げて同じ目的を果たすこととは違う。

・メキシコ州知事やセネガルの大統領など、移民の多い国の州知事や大統領候補の政治家たちは、シカゴ、ニューヨーク、ロンドンのほか、同胞が根を下ろしている場所ならどこであろうと、票と資金を集めるために頻繁に足を運んでいる。

・プリペイド式テレフォンカードは、1976年にイタリアで、硬貨不足を解消し公衆電話への窃盗および汚損行為を抑制するために発明された。

・立候補の目的については、こう説明している。「この国の貧しい人たちを助けることさ。だけど、特にぼくの家族をね」

・今日の世界政治がばらばらに分裂していると言うのなら、それはそもそも国の数が多すぎるうえに、そのひとつひとつが小さな権力を持っているからにほかならない。

・全体として、NGOは社会のためになるが、その視野の狭さと、関係者と資金提供者に結果を示さなければならないというプレッシャーから非常に融通が利かないこともあるのだ。

・今日の戦争に最も適した軍用機は戦闘機ではない。戦闘機よりはるかに安く、はるかに柔軟性のあるもの――無人機(ドローン)である。

・今日の反乱はイデオロギーや確立された指導部に従ったもの(ベトコン式)は少なく、ほとんど自然発生的に表れうる「怒れる群衆の連合」(パレスチナのインティファーダ式)であることが多い。

・ブラジルはJavaプログラマーが世界で一番多い国であり、汎用コンピューターのプログラマーの数も世界第二位を誇る。

・ヘッジファンドは「生み出すリスクよりも吸収しているリスクのほうが多い」のだという。

・政府が社会から疎外された知識人や、乱暴な大佐や、暴徒と化した学生の言いなりになっている近代途上国に足りないのは、権威である。

・「すべてを単純化する危険な輩」とは、人々の憤りと失望につけこみ、彼らに訴えかけることによって権力を手に入れようとするが、「極端に物事を単純化する」とともに、最終的には詐欺的な約束をする扇動政治家たちだ。

・テクノロジー的な「処置」だけがこれまで手に負えなかった人類の問題を解決してくれる、と固く信じているITの熱烈な支持者たちもまた、自らの主張を誇張して言い立てる傾向があり、、最後には「すべてを単純化する危険な輩」になりやすい。

・私たちは、今ある主な政治制度のほぼすべてを発明し、それ以来、何も発明していない。



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