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『生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害』 [☆☆]

・社会生活にしろ職業生活にしろ、決めることができないと次に進めない。生活自体が滞っていく。

・下手な鉄砲も数打ちゃ当たるではないが、撃つのをためらっていたのでは、当たりようがないことになろうか。

・社会で生きていく上で、重要なスキルの一つは、人に頼ったり、助けを求めたりするということだ。

・何事も面倒くさい人にとって、人に頼るのはひときわ面倒くさい。人に助けを求めることは、自分でやる以上に、面倒だと感じてしまう。

・回避性パーソナリティ障害は、自分への自信のなさや人から馬鹿にされるのではないかという恐れのために、社会とかかわることや親密な対人関係を避けることを特徴とする状態である。

・回避性の人が、人に会うのが億劫になってしまう要因として、人見知りが強く、会うと緊張し、うまく喋れないということもあるが、会った後まで、その時のことを引きずり続け、気持ちが動揺し、すっかり疲れてしまうということもある。

・シゾイドパーソナリティ障害とは、対人関係を持つことに喜びや関心が少なく、孤独なライフスタイルを好むタイプである。

・顔を合わせたりすること自体が面倒なので、わざわざ労力を用いてまで、会いに行こうとはしない。相手からの誘いには応じても、自分から誘ったり、電話を掛けたり、訪問したりということはしないことが多く、相手が働きかけるのを止めてしまうと、急速に交流も途絶えてしまう。

・傷つくこと、言い換えれば自分の世界が壊されることを恐れるということではないだろうか。

・チャレンジどころか、やれば簡単にできることさえも、とても難しいことのように思い込み、避けようとする。

・釈迦をはじめとして、偉いお坊さんたちは、みんな家族を捨てて、修行僧となり、愛着を断った。それで、そのお坊さんは救われたかもしれないが、捨てられた家族はどうなったのか。彼らは、見捨てられることによって愛着の傷を抱え、苦しむことになったに違いない。

・ミルク一つ与えるのでも、時間が来たからそろそろ与えなければという与え方は、この応答性を無視したやり方である。赤ん坊が、おなかが空いたと泣いたときに与えるという与え方が、子供の主体性を尊重した、応答的な方法と言える。

・インターネットやスマートフォンが提供する溢れるような情報やゲームといった手っ取り早い気晴らしは、視野の狭窄を助けてくれる優れた装置だ。そこに眼差しを向けている限り、その間だけでも、自分が傷つくかもしれない嫌な現実を忘れていられる。

・どうせ自分はダメだという思い込みは、しばしば親の評価を映したものである。

・ことに、親が期待をかけ、口出しすることが、子供に愛情をかけることだと勘違いしている場合には、親の期待は、害しか生まなくなる。

・感情的になるような人は、もはや古いタイプのリーダーであり、新しいタイプの組織に居場所はない。

・回避性の人を動かしている最大のモーメント(動因)は、不安である。不安から逃れようとして、新たな負担や決断を回避しているのである。

・彼を支えていたのは、底抜けの楽天性で、彼の口癖は、「死なないことに決めている」というものだった。

・人生の扉とは、どこでどうつながっているかわからない。少なくとも扉を開けてみないまま素通りしたのでは、どこに行くこともできない。

・ああした方がいい、こうした方がいいという助言をすることは、何が正しいかということしか見ていない対応であり、本人が「正しいこと」をさせられ続けて、今の状況に陥っているという一番肝心なことを忘れているのである。

・それが正しいかどうかではなく、彼に今何が必要かという視点で対応することが求められていた。

・回避性の人は、やろうかやるまいか悩んだとき、いつもやらない方に逃げてきたことが多い。それで、チャンスが全部逃げてしまっている。そこを、やってみる方に変えるだけで、人生は着実に変わり始める。

・迷ったらやる。小さいことを一つやってみる。それを実践するだけで、人生は変わり始めるだろう。



生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害 (朝日新書)

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  • 作者: 岡田尊司
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2016/06/13
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