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『狼と香辛料 18 Spring Log』 [☆☆]

・その話を聞いて、居ても立ってもいられなくなったらしい。この時代の節目に立ち会わなければ、一生後悔すると。

・危機感はあるが、案はない。

・話の文脈を追う前に反射的に顔の笑みを積み増しておく。どんな時も笑ってさえいればどうにかなる、と経験が教えてくれた。

・毎日の生活の中で、少しずつ我々は摩耗する。川の石が丸くなるのはいいことだが、惰性で流されやすくもなる。立ち止まり、踏ん張りが利かなくなる。

・高貴な人間たちの間では、血筋は道具でしかない。

・必要のあるところに商品を持って行くのは、高く売るための基本原則だ。

・よく食べ、よく飲み、よく働くのが、市井の人々の数少ない評価基準だ。

・企みがあればその裏をかこうとする者たちが出るのもまた世の習いで、すんでのところで御破算になりかけた。

・謙虚に振る舞う人が一番怖い。

・今やデバウ商会は、商会というよりも市場を領地とした商人国家ですな。

・いるべき時、いるべき場所にいるのもまた、商人にとっては実力でしょう。

・世界とはこんなにも残酷で、無慈悲な場所だった。そこで良心を保つのは、恐ろしい贅沢なのだと思い出した。

・昨日と今日の区別がつかない日常ではなく、あんなことがあった、こんなことがあった、たくさんあった、と語られる特別な一日として。

・この世に事情のない者などいない。

・この世には、たとえ正しくても、言ってはならないことがある。

・この世はまっすぐなだけでは渡ってはいけない。道がまっすぐなのは、市壁に囲まれた町の中の、ほんのわずかな場所だけなのだから。

・なにが正しいかなんてのは、皆わかっている。酒の量は控えめにして、おしゃべりは慎み、仕事に励み、弱き者に優しくせよ。それからたまには、神に祈れ。

・自分というものが二人いるかのように、まったく正反対のことを同時にこなせなければ、商人などやれやしない。

・「お前は人見知りするからなあ」「誇り高いだけじゃ!」

・道の先にはすごいものが待っているに違いない、と息急き切っていた時代はとうに過ぎた。それは落ち着きをもたらすのと同時に、なるようにしかならない、という諦めに似た感情を生み出す。



狼と香辛料 (18) Spring Log (電撃文庫)

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  • 作者: 支倉凍砂
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2016/09/10
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狼と香辛料XVIII Spring Log<狼と香辛料> (電撃文庫)

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