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『50オトコはなぜ劣化したのか』 [☆☆]

・「大人買い」の語源は定かではないが、2000年前後からマスコミを中心にこの言葉が流通し始め、2008年には『広辞苑』にも収載された。

・「本当に中身のあるおもしろいやつと思われたければ、ペラペラしゃべるのは逆効果」ということだ。

・コミュニケーションを取ること、とくに言葉を重ねてのかかわりは、時によっては相手を喜ばせたり癒したりするどころか、かえってその心を傷つけることにもなりかねないのだ。

・いまどきの若い会社員は、職場に「好き、嫌い」といった人間関係の問題をすぐに持ち込んだり、容易に「傷ついた、嫌われた」と思い込んだりする傾向があるようなのだ。

・若い社員は「わかる?」「どうなってる?」と言われただけで、「怒ってるんだ」とネガティブに受け取り、さらに「見捨てられた」「嫌われている」と、それを人間性への評価だと感じて、プレッシャーを受けてしまうようだ。

・笑顔が出ないくらいならまだよいが、日中のうさを晴らすかのように、「今日も一日ゴロゴロしていたんだろう?」「オレが高給取りの医者でよかっただろう?」などと、相手の人格を頭ごなしに否定するような発言をしてしまう人もいるようだ。

・忙しい現代、誰もが「売り言葉に買い言葉」とばかりに、思ったことをすぐ口に出したり、誰かの言葉に脊髄反射的に反応したるすることが多くなった。

・その50オトコは自分の持てるエネルギーのかなりの部分を、社会的な何かにではなく自分ひとりの私的なこと、しかも未来ではなく過去のことにあてているのである。

・無責任な大学教授コメンテーターの井戸端会議と政治は違う。井戸端会議はしゃべることが目的、何一つ解決しなくても良い。

・「私は常にまわりの意見に耳を傾けてきた」と言うことにより、「結局、こんな状況になったのも、まわりが正しく判断しなかったから」と自らの責任を回避することもできる。

・保守化傾向や愛国主義ともいえる動きの背景には、「日本の価値が相対的に下がるということは、それを写し鏡にしている自分の価値まで失われることだ」という直観的な理解があるのだろう。

・「ウチの子はね、洗濯機が止まっているのに水が出っぱなしになっていると、自分では止めずに、「お母さん、水が出てるよー」と呼ぶんですよ」 彼女は最初、それは母親が息子の欠点を語っているのかと思ったが、どうも違う、と気づいた。息子を自慢しているのだった。

・あんた、なに考えてるの? いや、ホントはなにも考えていないからずっと黙ってるんでしょう? まわりがあなたにカリスマ幻想を投影してくれるのを、じっと待ってるんだよね?

・それほどまでに「施設に預けるのは絶対イヤ」と思っているなら、せめて自分がもっと介護の担い手になるべきであり、妻にだけ負担をかけるのはおかしいはずだ。しかしそれに関しては、「オレは忙しいから」と、親の老いの現実、介護の現実から目を背けようとしているのである。

・「昔はよかった」 男がこれを口にするのは、ほとんどが現在の価値観や技術に自分がついていけなくなったときだ。

・いまはパートナーでもない女性、とくに若い女性や幼い女性に性的な視線を向けたり、それを感じさせる言動をしたりすることは、世界的に禁じられる方向にある。



50オトコはなぜ劣化したのか (小学館新書)

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