SSブログ

『新しい幸福論』 [☆☆]

・日本の高額資産保有者の額を世界の中で評価するとまだ低いので、経済大国と呼ぶにはまだふさわしくない。さほどの国ではないという評価である。

・マスコミなどで発言する人たちの多くはエリート、ないしはそれに近い人であり、貧困当事者が発言する機会は限られている。政府の審議会などに参加する人の多くは社会の指導者なので、当事者の意向が反映されることは少ない。

・最低賃金審議会に出席する労働組合の代表は通常「連合」である。連合に加盟する労働者の多くは、大企業に勤務する男性の正社員なので、高い賃金の人々であり、既得権益を守ろうとする人であることが多い。

・人々が保守的な思想を持つということは、不確実性のあることを好まず、かつ変化を嫌うことを意味する。これは、すなわち現状の肯定なので、世の中に格差の存在することを保守の立場から擁護することにつながる。

・スミスやリカードは経済成長ということを頭の中では考えたが、それを経済学の議論として明確には示さなかった。

・有限の世界の中で幾何級数的な経済成長が際限なく続くと信じる者は狂人か、もしくは経済学者である。

・日本の大学生の40%が東京圏で学んでいる異常な状態を是正するのである。

・日本を動かしている政治、官僚、経済、マスコミ、文化の面での指導者の多くが東京在住なので、東京一極集中の排除案に消極的と予想できる。



新しい幸福論 (岩波新書)

新しい幸福論 (岩波新書)

  • 作者: 橘木 俊詔
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/05/21
  • メディア: 新書



新しい幸福論 (岩波新書)

新しい幸福論 (岩波新書)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/05/20
  • メディア: Kindle版



タグ:橘木俊詔
nice!(0) 
共通テーマ:

nice! 0