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『プラハの憂鬱』 [☆☆]

・個々人がどれだけよい人であっても、その人が海賊船の乗組員だった場合、構造的な悪に組み込まれてしまう。

・基本書の内容を正確に暗記して、それを制限された時間内で再現する能力が問われているだけで、特別の才能は必要とされない。

・チェコスロバキアにはキリスト教という迷信を信じている遅れている人々がまだいる。これらの遅れている人々への人道的配慮から、紙と印刷施設の使用を認めているに過ぎません。

・マルクス主義において国家は、階級社会が生み出す抑圧機構なので、階級対立が止揚された共産主義社会においては、国家は自然に消滅することになる。その意味で、マルクス主義の国家観はアナーキストの国家観に近いのである。

・慈善は、場当たり的に貧しい人に援助を与えるだけである。これに対してヒューマニズムは、法秩序と社会制度によって、貧困を解消するシステムを構築すること。

・カトリックはマリア崇拝や聖人崇拝など、中世的世界像と結びついています。信者は聖書を読むことに熱心ではない。

・宇宙には物質を超える神的な力があると私は思います。しかし、その力は人格的な介入をしない。歴史は神の意思ではなく、力と力のぶつかり合いで動いていると思います。あえて言うならば、私の世界観は理神論です。

・懐疑論者の方が、何かの理念に取り憑かれている人よりも現実的判断ができる。

・歴史が進歩するにつれて非歴史的民族は歴史的民族に吸収、同化されると考えた。チェコ人は非歴史的民族なので、ドイツ人に同化されるのが必然であるとエンゲルスは考えていた。

・まず大国の歴史をおさえて、大国が紛争を処理する時に小国を「釣り銭」のように取り扱うことを理解してほしいのです。

・信仰とは、「召命を受けた」という強い意識がないと成り立たない。

・ゴミ箱に爆弾を仕掛けられる可能性があるからね。ゴミ箱があるのは平和の証拠だ。

・スコッチは侮蔑語なので、使わないほうがいい。スコッツと言えばよい。スコッチウイスキー以外にスコッチという言葉は使わない方が無難だ。

・何となく考えるのがイギリス人の特徴だ。ドイツ人のように物事を詰めて考えない。また、アメリカ人のように実証的なデータを分析して予測するという方法もとらない。

・アメリカ人の大多数はとても内向きなの。高等教育を受け、外国人と接触するような仕事に就いているアメリカ人以外は、外部世界のことをあまり知らない。

・「死に場所を見つける」というような美学を規準に戦争を考えてはならない。

・人間が自由に耐えられないから、その責任を偉大な人間が負わなくてはならない。

・私は好きなことをしていて食べていけないという人を1人も見たことがありません。ただし、重要なのは中途半端に好きなことではなくて、本当に好きなことでなくてはいけません。

・知恵でロシアはわからない 物差しで測りもならず 彼女の容姿は一種独特―― ロシアは信ずるほかに道がない

・北アイルランドは、英国の軍事力で維持されている国内植民地だ。

・ソ連の目的は最大野党としての社会党の政策を最大限、ソ連に有利な内容にすることにあり、日米安保反対、在日米軍基地反対、自民党の対米密着の阻止、北方領土返還要求の軟化などが目的で、一時は社会党の対外政策がソ連共産党の政策のコピーに近い状態まで工作は成功した。

・ロシアには「醜い女はいない。ただ飲むウオトカの量が足りないだけだ」という諺があります。

・ロシアのテレビを見る。そこから普通のロシア人がどういうことで喜び、怒るかを知る。

・軍隊が迅速に移動できるようにするためです。ソ連では、反乱を起こす潜在的可能性がある少数民族居住地域では、道路インフラがよく整っている。

・街で偶然、すれ違うことがあったとしても、互いに会釈もしないであろう。個人的感情よりも、立場の方が重要な場合が人生においてはあるからだ。



プラハの憂鬱

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  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/03/31
  • メディア: 単行本



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